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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

としまえん跡の公園整備について ~一般質問から~

一般質問では、としまえん跡に整備される練馬城址公園についても聞きました。正面から答えなかったり、答弁が漏れていたりと、今回の答弁の中でもちょっと誠実さが欠けるよなという印象ですが、まずはそのまま紹介します。こちらも、ポイントとなるやり取りには改めて触れてみたいと思います。
    ※原稿、録音をもとに文字化したものですが、正式な議事録ではありません。

■池尻■
としまえんが廃園となり、そのあとが練馬城址公園になるかと思っていたら、中心部分9haにはハリーポッターのスタジオツァー施設ができ、このエリアで実際に公園が整備されるのは少なくとも30年以上先のことになる。
公園になれば、緑も、広々とした空間も、そしてもしかしたらカルーセル・エルドラドも残るかもしれないと期待していたのに、緑は無残に伐られ、なんと建築面積が3haを優に超える巨大な建物ができる。
まさかこうなると想像していた人が、どれほどいるでしょうか。
東京都の公園審議会が、練馬城址公園の整備計画についての中間まとめを公表し、パブリックコメントが始まっています。公園の最終の完成形は、なかなかよい。よい公園になりそうです。しかし、この公園審議会の議論の決定的な欠点は、昨年6月の覚書とそれを根拠に動き出したスタジオツァー施設計画を、既定の前提としていることです。覚書は、いったいどんな経緯で、何を目的に締結されたのか。その点を、なぜ審議会委員の誰一人として質そうとしないのか。私には、不思議でなりません。

全体で22haになる大きな公園整備において、段階的整備が必要であること自体は否定しません。しかし
第一に、なぜ、石神井川北のこの場所が最後なのか。それは、事業者が求めたからか。都自身が必要かつ適切だと判断したからなのか。
しかも、なぜ30年後なのか。10年以内に事業着手すべき優先整備区域内で、それもその半分になろうかというほど広い部分で、30年もの長期にわたって整備を棚上げした事例が他にあるのか。
以上2点、まず、明確にお答えください。

旧としまえんは、6万人を超す住民のための避難場所に指定されていました。都の公開資料によれば、避難可能面積は10ha近く、としまえんの全域に広がっています。また、都の基準では、工事管理区域は原則として避難可能区域に含めないこととされています。避難場所がどうなっているのか、これからどうなるのか。とても心配です。

以下、おたずねします。
石神井川北側で工事が開始され閉鎖管理されている現時点での、避難有効面積はいくつでしょうか。また、これから整備が進んでいく各段階で、避難有効面積がどのように確保されるか。避難場所の機能を左右する問題であり、責任ある答弁を求めます。
としまえん時代の緑被面積と、スタジオツァー施設の緑化計画における緑被面積をお示しください。また、まちづくり条例に基づく協議申請書において、スタジオツァー施設の事業者が避難場所を含めた防災活動に対して具体的にどのような協力を申し出ているのか、お示しください。

パブリックコメントに当たって、都・区はオープンハウスを開催することとしたようです。評価できる動きですが、しかし、これだけ大きな、そして区民の関心も極めて高い事業です。都区合同での説明会もあわせて開催するよう、強く求めるものです。お答えください。

■企画部長■
 私から、練馬城址公匯についてお答えします。
 はじめに、公園の段階的整備についてです。
 大規模な公園の整備は、長期間にわたって極階的に行われます。練馬城址公園の優先整備区域は、民間事業者の所有地です。都は整備着手に当たり、区、土地所有者等の関係者間で昨年覚書を締結し、「緑と水」「広域防災拠点」「にぎわい」の3つの機能を備えた公園の実現に向け、相互に連携・協力して段階的に整備を進めることとしています。整備を棚上げしたものではありません。
 先日都が公表した、練馬城址公園の整備計画(中間のまとめ)では、計画区域北側の「にぎわいアクティビティゾーン」については、段階的整備の過程において「民間事業者が都と連携して、緑豊かで災害時には避難できるひろばと災害用の備蓄機能を確保した、にぎわい溢れるスタジオツアー施設を運営していく」とされています。施設の位置については、都と土地所有者等との協議により決定したものです。
 次に、避難有効面積等についてです。
 避難有効面積は、都が概ね5年に一度避難場所を見直す際に算出しています。平成30年6月の見直しでは、豊島園の避難有効面積は、約9万8千㎡となっています。
 公園整備等の各段階における避難有効面積についても、都が検討し、示すべきものと認識しています。引き続き、関係者間で各。段階の避難エリアや災害時の施設利用協力等について協議してまいります。
 次に、緑被面積についてです。
 スタジオツアー施設の緑化計画については、敷地が千㎡を超えることから、事業者は「東京における自然の保護と回復に関する条例」に基づき都と協議を行うこととされており、その結果が区に提出されています。
 計画では、緑化面積は、都条例で定める基準の1.6倍の約2万㎡となっています。
 事業者からは、樹木やみどり豊かな自然に囲まれた「としまえん」が、スタジオツアー施設の世界観に合致しており、建設に当たって伐採する樹木はあるものの、既存樹木は可能な限り残し、新たな植栽も行い、みどりに囲まれた施設となるよう整備を進めると聞いています。なお、従前の緑被面積については、把握していません。
 次に、オープンハウスについてです。
 区はこれまでも、都や事業者に対して、区民への丁寧な説明を求めてきました。都は現在、公園整備計画(申間のまとめ)について、パブリックコメントを実施しており、これにあわせて区も協力し、オープンハウスを開催します。いわゆる教室型の説明会に比べ、参加者の都合にあわせて来場することができ、質問や意見が述べやすい形式です。緊急事態宣言下を考慮した、適切な方法と考えています。

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