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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

区議会での議論から ~ハリー・ポッターと練馬城址公園問題~

練馬区議会の決算特別委員会で、「としまえん」跡の公園整備計画について2度、質疑をしました。1度は最終日の全款補充質疑の場で。もう1回は、こども家庭費の中で。こちらはもともとは予定していなかったのですが、他の会派の方が「成人の日のつどい経費」に引っ掛けて質疑をしたその内容に大変違和感があったので、急きょ、質疑を組みました。
ここでは前者、10月9日の質疑をそのまま再録します。持ち時間がわずか14分なので、なかなか二の手三の手を繰り出すというふうにはならず、詰めが甘いところもあるのはご容赦を。(録音から起こした未定稿で正式な議事録ではありません)

「優先整備区域」になぜ30年?
●緑の大量伐採はわかっていたのか?
●総合体育館のこと
●スタジオツァー施設の「用途」
●ないがしろにされた議会

「優先整備区域」になぜ30年?

池尻成二委員 170ページ、企画事務費、380ページ、建築指導費。豊島園のごとについて、特に都市計画練馬城址公園の整備に係る覚書の問題で、少しお聞きしたいと思います。
 この覚書には、前川区長ご自身も署名されております。言わば覚書の当事者の一人として責任を負われることになったわけですけれども、この覚書を交わすに当たって、区長がどのような認識に立ち、どのような判断をされたのか、いくつか気になっていることを伺っていきたいと思います。
 西武鉄道が今後どういう事業展開を考えるかということについて、基本的には民間の一事業者の判断ではありますが、しかし、行政が口を出すことではないと言われるとそうでもないところがあると私は思っております。
 といいますのも、ハリー・ポッターの開発計画が勣いている石神井川北側も含めて、豊島園の22ヘクタール全体が、今後10年間で事業化すべき区域に指定されておりますので、もしこの覚書がなければ、少なくとも30年という長期にわたって新しい開発計画を進めることはできなかったであろうと私は考えます。
 最初の質問ですけれども、優先整備区域の中に、30年間にわたって事業化を先送りする広大なエリアを認めることは、『都市計画公園・緑地の整備方針』の原則を自ら反古にすることになるのではないかと、大変私は心配しているのですけれども、その点について、区長はどういうお考えで覚書を交わされたか、お聞かせください。
企画課長 今年1月に、都は、区と土地所有者である西武鉄道に対して、優先整備区域に指定している練馬城址公園の事業化に着手する意向を示しています。同時に、西武鉄道は東京都に対し、新たな事業展開も検討したい旨の考え方を示しました。
 これを受けまして、6月に水とみどり、にぎわい防災の拠点となる公園の実現を目標に、関係者が連携協力するために覚書を取り交わしたところでございます。
 区は、スタジオツアー施設も含めまして、水とみどり、にぎわい、防災の拠点となる機能の実現に向けて、地元自治体として区の意向を踏まえた取組がなされるように覚書を取り交わしたところでございます。
 それから、優先整備区域に指定されている地域に30年間ハリー・ポッターの施設がということですが、区としましては、委員のようなご意見が当然出るだろうと想定しまして、東京都に対して、優先整備区域は外したらいかがかと意見は述べさせていただきました。東京都からは、大規模な都立公園の整備は時間をかけて段階的に行っている、練馬城址公園についても整備計画を策定し、段階的に整備を進め、スタジオツアー施設の区域を含めて、将来的に全体を公園として整備する考えであるということから、平成23年前の整備方針と同様に、今回の改定においても優先整備区域を設定していると聞いています。
 また、今回改定された方針においても、東京都の考え方として、公園管理者単体による整備よりも、複数の事業主体、事業手法による整備の方が、早期効果発現が可能となる場合の大規模公園、緑地での事業間連携という考え方も示されているところでございます。
池尻成二委員 あらかじめ計画との整合性について気にしていらっしゃったということは分かりました。が、実際には整理をされなかったということです。
 段階的な整備は都立公園の場合には非常に一般的にはあるわけですけれども、例えば石神井公園についても、段階的な整備をする場合には、都度都度、優先整備区域を書き換えながらやっています。そういう点でも、整備区域との整合性をきちんと整理した上で、覚書を交わすことが順番ではなかったかと、私か感じていることです。

緑の大量伐採はわかっていたのか?

 それから二つ目、先ほど少しありましたけれども、伐採の話です。
 伐採届を見ると、1.8ヘクタールの樹林が伐採されると。なかなかの規模で、先ほどお話のあった関町南三丁目の件は私もよく知っておりますし、当時の関係者と同じ方が今回出てきたこともよく知っておりますが、当時とはけたが違います。
 これだけ大きな樹林が大きな建物でなくなることについては、なかなか区としては重い話だと思いますけれども、覚書を交わす際には、これだけ大きな伐採が入ることはご存じだったのでしょうか。

企画課長 ハリー・ポッターの施設ができるということで、一定程度の伐採ということは聞いておりました。ただ、既存樹木などについても調査を行い、残せるみどりは極力残しながら植栽を行うという話も聞いています。そういった状況でした。
池尻成二委員 普通、建物が建つのだから、一定の伐採が入ることは誰だって分かるのですが、これだけ大規模にということは、今のお話を聞いていると、必ずしも想定はされていなかったと受け止めました。
企画課長 そもそもこのハリー・ポッターの施設がこちらに決まったことは、みどり豊かな環境がハリー・ポッターの世界観と合致しているということが大きな理由だと聞いています。
 先ほど言いましたけれども、伐採するものがありますけれども、既存樹木については調査を行って、残せるものは極力残しながら、更に新たな植栽も行い、みどりに囲まれた施設とすべく整備を進めると聞いているところでございます。
池尻成二委員 それは繰り返しおっしゃっているのだけれども、建物が3.8ヘクタールもあるわけだから、幾ら植え戻すといっても限界があります。それは分かっていただきたいと思います。

総合体育館のこと

 それから、少し話はそれますけれども、ここのところずっと毎年のように、議会の予算決算の審査の中でも、練馬城址公園に体育館を造ったらどうかというお話がずっと出ていました。私もずっと聞くだけだったのですけれども、総合体育館の適地はなかなか見つからないし、体育館であれば防災にも貢献するところがあるし、ある種、催しに対応できるような会場になるかもしれない。密かに私はなかなかいいアイデアだと思っていました。
 確認したいのですけれども、覚書を交わす際に、総合体育館の話が議会から出てきました。これについて企画課長は、去年でしたか、「一考に値する」ということまでおっしゃっていたわけですけれども、この体育館の話は、ハリー・ポッターができてしまうとさすがに無理でしょう。無理なことは誰だって分かります。この総合体育館の件は、覚書の際にはどのように整理されたのでしょうか。
企画課長 そもそものお話ですけれども、体育館を練馬城址公園に建てられると決まっていたということはございません。過去に都が整備した公園の中に、区が施設を整備するとすれば、例えばアリーナや文化的施設など、遊園地と同様のにぎわいを創出できる施設について、区として事例を検討した経過はございます。
 体育館につきましては、財政状況などを踏まえまして、引き続き検討させていただきたいと考えてございます。
池尻成二委員 決まっていなかったことはもちろん知っています。ただ、問題なのは、いろいろな形で、議会でかなり強い繰り返しの要望が出てきたことが、この覚書の過程でどう整理されたのか、私たちは聞いていないのです。それが少し不本意で、今聞きました。
この点は後でもう一回触れます。

スタジオツァー施設の「用途」

 それから、私は実は恥ずかしながらスタジオツアーというものがどういうものか、この間の説明会でロンドンの動画を見るまで全然分かりませんでした。初めて見て、これがスタジオツアーだということは、やっとイメージできたのですけれども、ただ、このスタジオツアーというものは、建築基準法で言う博物館に類似する施設に当たるという、この間、都市整備費でしたが、所管から踏み込んだ答弁があったのですが、どうもこれは納得できないのです。
 例えば、ロンドンのスタジオツアーを、インターネットで今はいろいろ調べられますから、見ていると、入場料が47ポンド、6,400円。往復の送迎込みのツアーで、軽く1万円を越すメニューばかり並んでいます。博物館に類似する施設というものは、概念が曖昧と言えば曖昧なのだけれども、ただ展示物があって観覧できるだけではまずかろう、学術性とか公共性とか、一定の非営利性とか、満たすべき要件がたくさんあるだろうと思います。
このスタジオツアーが本当に博物館に類似する施設として建築基準法をクリアできると覚書の段階では判断なさっていたのでしょうか。お答えいただけますか。
建築審査課長 建築基準法上の用途は、建築確認を行う建築主事が判断することになります。当該施設は、延床面積が1万平米を超える施設と聞いておりますので、最終的には東京都の建築主事が用途を判断することになります。よって、練馬区の建築主事が判断するものではございません。
 先日の決算特別委員会でご質問いただきましたので、博物館その他これらに類するものと判断できると思われる内容について、私の判断で想定できる範囲で、一般事項を分かりやすくご答弁申し上げたところです。
池尻成二委員 過去の答弁の経緯は分かりましたけれども、今私か聞いたこと、入場料だけでも6千円を超えるような施設も類似するものだと言えるのですか。これは都の判断することという答えになりますか。簡単にお答いただけますか。
企画課長 繰り返しになりますけれども、これは東京都が判断すべきものと認識しております。
池尻成二委員 今回の覚書以来の傾向を見てきまして、私はどうもきちんと整理しなければいけないことが整理されないままに動いてしまったという印象がぬぐえないです。緑のこともそうだけれども、この間議論になっている避難場所のこともそうです。区は努力しているけれども、しかし覚書の時点で整理されていなければいかなかったことがたくさんあったと私は思います。
 それ以外に、今の建築基準法の用途の問題も非常に重要な問題です。覚書にはスタジオツアーとはっきり書いてあるのだから、それが本当に適法にやれるかどうかについても、慎重に検討されたのかということは、正直疑問です。

ないがしろにされた議会

 ただ、それに加えて、私かどうしても言っておきたいことは、議会のことが置き去りにされていませんか。これはすごく気になるのです。
 確認ですけれども、私はこの覚書の話を初めて知ったのは新聞報道でした。6月6日、新聞報道。6月11日に議会運営委員会がありまして、その場である委員の方からこの件についてご指摘がありました。そのときに議長が、議長もこのことを知ったのは6月8日だとおっしゃいました。ということは、覚書に関する情報提供や議会の意見聴取を一体やったのだろうかと。
 正式に委員会報告があったのは6月15日、締結後です。確認しますけれども、締結前に議会の意見を聞く機会は持たれましたか。端的にお答えください。
企画課長 今回の都市計画練馬城址公園の整備に係る覚書については、東京都、練馬区、それから関係者、これは民間の事業者の話もあります。そういったところで、民間事業者としての内部の意思決定などもありますし、事前に情報提供するごとによってそういったところにも影響を及ぼすことが考えられます。
 最終的に全てが決定したのが覚書を取り交わした日となりますので、その前の情報提供は行ってございません。
池尻成二委員 私、それは、議会というものをあまりに軽んじていると思います。議会の情報提供は、本当に必要なら、秘密会だってやろうと思えばやれるのですから。
 なぜこのことにこんなにこだわるかというと、先ほどの地元の議員としての非常に切実なお考えをお聞かせいただきましたけれども、地元の方はもちろんだけれども、これは全区の問題です。区民全体、区議会全体の問題です。区議会としては大いに会派を超えて発言すべきテーマだと思います。体育館の問題以外にも、議会で議論してきたことがたくさんあります。なのに、なぜ議会の意見をひと言も聞かずに覚書を交わすのですか。これは明らかに越権行為でしょう。違いますか。
企画課長 事前に意見を聞かなかったという意見ですけれども、そちらについては先ほど申し上げたとおりでございます。
 ただ、区としましては、あくまでもここは東京都が整備する計画を持っているところ、それから土地の所有者は西武鉄道となっております。そこに区が参加しているのは、あくまでも地元自治体として、区民の皆様のご意見、要望等を区としてこの計画に反映させることを目的として、この覚書に参加しているという趣旨でございますので、そこはご理解いただきたいと思います。
池尻成二委員 どういう趣旨で入ったかとは別に、覚書に署名することで生ずる責任があるわけです。この部分でしか参加していないからこの部分しか責任を取らないなどということはあり得ないわけだから、そういう点は議会のことをもっとしっかり大事にしてほしかったと思います。

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