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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「活用」って、何?

 昨夜、「練馬駅北口区有地開発検討会議」があり、傍聴しました。この会議もいよいよまとめ。一度は聞いておこうと行ったのですが、正直、がっかり。聞いていて、なぜがっかりしたのかもよくわかりました。とにかく、区有地の何を「活用」するというその中身が、資産としての価値、経済的な効果、営利の手段としての土地…そうした視点しか出てこないのです。
 資産として土地を考えれば、「有効活用」は、即「高度利用」につながります。規制ぎりぎりの床面積を確保しながら、どうやって安上がりに建物を建て、そしていかに採算性の高いテナントを呼ぶかが、決定的になります。民間のディベロッパーに事業を委ねる以上、そうならざるを得ません。結局、会議の議論も、最後はここに集約していくのです。
 でも、土地は単に経済的な意味での資産であるだけではありません。それは、緑(自然)として、空地として、空間として、あるいは景観としても、貴重な資産となりうるものです。なぜ経済効果と経済的な効率性ばかりが議論になるのだろう?民有地を大金はたいて買うわけではなく、公有地で営利に走るほど区が逼迫しているわけでもないのに、本当に不思議です。
 まあ、もともと経済効果を大きな柱とし、高度利用を原則とした基本方針を区がまとめ、その土俵の中での議論だったわけですから、検討会議がこういう流れになったのも無理からぬことかとも思います。しかし、残念です。
 練馬駅が練馬の「顔」を形作るとしたら、そこにまず現れるのは、この練馬の町の「価値意識」でしょう。どうしてそこに、目いっぱい大きな、そして目いっぱい民間の営利事業に奉仕する、そんなビルが出てくるのか?土地の売却こそ避ける方針のようですが、しかし、公の精神、魂はすっかり売り払われてしまう、そんな計画になりそうです。

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