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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「委託化」のつまずき

 昨日26日の委員会で、豊玉第二保育園の委託時期を1年延期するという報告がありました。
 この保育園は、併設されている区営住宅の建て替えにともなって改築されることになっています。当初6月18日に議会報告がされた段階では、2009年2月には改築工事が終わり、新園舎に戻って4月からの委託開始というスケジュールが想定されていたのですが、その直後、6月22日の委員会でこの改築スケジュールがひっくり返り、新園舎に戻るのが9月にずれ込んでしまいました。そうすると、4月委託⇒9月引越し⇒大幅な定員増という流れになり、委託を始めたばかりの業者の元で引越しや定員増を迎えるのは子どもにも負担とリスクが大きいと、保護者から強い異論と不安の声が出されていたのですが、こうした声を区もやっといくらかは受け止める気になったということでしょうか。
 しかし、それにしても、区のなんとも無原則で泥縄ぶりの対応には目を覆うばかりです。保育担当の所管は、改築時期が変更されることも知らずに委託スケジュールを発表して大恥をかかされたにもかかわらず、みずから泥をかぶり、当初の委託時期に固執し続けました。豊玉第二保育園を含む2園を09年度に委託するということがはっきりと書き込まれた「委託化・民営化」計画もそのまま確定させてしまいました。そして、公募目前というぎりぎりのこの段階になって、スケジュールの見直しです。前に進むにも後ろに下がるにも、最悪のパターンです。できたばかりの「委託化・民営化」計画、志村「行革」の最大の目玉であるこの計画が、それこそできたとたんに傷を付けられ修正と先送りをする羽目になったのですから、一面では区長の政治責任が問われてもおかしくない事態なのです。
 スケジュール変更の理由を、保育の担当課は改築時期の変更によるものと説明しています。しかし、こんなのは表向きです。もしそうなら、6月の段階で直ちに修正すべきでしたし、少なくとも「委託化・民営化」計画が確定する際には手直しすべきでした。それすらせず、ようやくここまで来て時期を変更した最大の理由は、保護者の不安にきちんと答えられなかった、そしてそうした声を押し切り、押しつぶすことができなかったからです。
 今回のスケジュール変更は、保育園「委託化」が大きなつまずきを抱えていることを端無くも明るみに出しました。区の計画は、磐石でも万全でもない。計画は変えられる。委託時期の1年延期は、当然の、最低限の対処です。しかし、保護者の不安や疑問は、この程度の手直しでは消えることはないでしょう。豊玉第二だけでなく光が丘第四も。1年ではなくもっと。いや、凍結・撤回を。…それにしても、議論の場がない…それだけが残念です。

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