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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「外環その2」

 都が作成した「外環の地上部の街路について」というパンフレットが、送られてきました。
 
   ⇒東京都都市整備局「外環の地上部の街路について」

 外環道については、昨年4月、本線部分を大深度地下を基本とした整備方式に見直す都市計画変更が行われました。しかし、もともと外環本線と一体のものとして計画されていた地上部街路(外環の2)については、その取り扱いがいまだに決まっていません。都市計画権者である東京都は、都市計画区域をそのまま残す、縮小する、廃止するという三つのオプションを示していましたが、具体的な検討状況は明らかにされてはきませんでした。そうした意味では、今回のパンフレットは、「いよいよ外環の2が動き出した!」という意味合いももつものでしょうが、しかし、このパンフレット、「なんだろうね、こりゃ」という感じなのです。検討の「視点」として環境、防災、交通、暮らしの4つが挙げられているのですが、要するに外環の2を整備した場合の効果を並べ立てただけ。そこには、整備による「影響」、つまり環境面、まちづくり、経費、等々にかかわるデメリットはまったく触れられていません。なぜこんなンフレットを出したんだろう、と本当に不思議です。
 もともと外環本線が40年にわたって「凍結」され、地下方式への見直しが迫られた最大の理由は、地上部に大きな道路を引くことにともなうさまざまなリスクと負担に対して強い反発と批判があったからです。本線を地下化しても、地上部街路がそのまま引かれることになれば、同じような問題は必ず生じてきます。少なくとも、効果と影響、メリットとデメリットを公平に提示するくらいの度量と誠実さが、東京都には欲しかった。外環本線の見直しが動き出した当初、国は検討の「たたき台」を出し、効果と影響についてそれなりに幅広く論点を拾っていましたが、それに比べても都の姿勢はずいぶんとかたよったものに見えます。
 なんだ、都はとにかく「地上部街路ありき」なんだ…そう見られてもいいんでしょうかね?

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