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背骨が溶け始めた「まちづくり条例」 ~決算5日目~

 決算審議5日目は、都市整備費・土木費。練馬清掃工場建替え計画に対するまちづくり条例の運用に焦点をあてて、質疑をしました。
 この建替え計画をめぐっては、区は、異例の対応、配慮を重ねてきています。
その①
 清掃一部事務組合(一組)の建替え計画は、来年4月から実施される予定の高さ制限を1.5倍まで緩和するという特例を受けることが前提になっています。ところが、一組から、特例を受けられるかどうか早く決めてくれないと事業が進まないと言われて、区は、早々と特例許可手続きを始めてしまいました。高さ制限を入れる都市計画自体がまだ決まっていない、まして特例の条件については区民に対してその詳細すら明らかにされていないのに、です。「仮の評価ですから…」と弁解の答弁。正式に都市計画審議会の議題にしておいて「仮」もないだろうし、この「仮」を前提にして事業が動いていってしまうのです。少しもすっきりしない。民間の事業者が同じことを言ってきたらどうするのでしょう。それこそ、一組を「特例」扱いしているとしか思えません。
その②
 そのうえ、この「仮の評価」がなんとも甘々なのです。区は、まちづくり条例で義務付けられる提供公園を今回は免除する方針なのですが、公園の代わりに確保しなければならないことになっている「一団の空地」が、なんと工場周辺のわずか2m程度の幅の歩道上空地や緑地帯。何でこれが「一団の空地」なのか、さっぱり理解できません。現状にくべて緑地はがくっと減るし、公園やせめてまとまった空地があればともかく、それもなし。まちづくり条例の最低限の定めすらなし崩しにしておいて、さらに高さ制限まで5割の特例緩和をするなんて、どういうことでしょうか。
 部長の答弁は、「この条例ができるまではもともと工場などの場合は提供公園についての規制がなかった。そうした事情をご理解を」。??? これでは、なんのために条例をつくったのか、いや条例を遵守するという区の責務はどうなったのか、本当に疑問です。
 都や一組が相手だと、練馬区はこんなに及び腰なんだ…いや、民間でも同じなのかも…私は、まちづくり条例はもっと“骨のある”ものだと思っていました。こんなにずるずると原則を骨抜きにしていくのなら、以前の要綱による「行政指導」と大差ありません。まちづくり条例は、背骨が溶けて、まるで軟体動物のように見えてきてしまいました。 

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