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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

あるマンション紛争

 区内高野台に建設予定のマンション計画をめぐって、大きな住民紛争が起こっています。建て主は大和ハウス。西、北、東を戸建住宅に囲まれた敷地に、高さ24メートル、8階建てのマンションです。
 このマンション紛争の最大の特徴は、練馬区が紛争当事者になりかねないほどに計画の成否に深く関わっているということです。論点は二つ、「一団地認定」と「高さ制限」です。「一団地認定」は、簡単に言うと、道路を挟んだ二つの敷地を一つのものとみなすという制度で、このおかげで容積率を“飛ばす”、つまり一方の敷地に寄せてより大きな建物を建てることが可能となります。認定権者は、実は練馬区。本当に一団地として認定してよいのか。これが大きな論点の一つです。
 もう一つは「高さ制限」。練馬区は、今、区内全域に「絶対高さ制限」をかける都市計画変更を準備しており、来年3月施行の予定です。もしこの高さ制限が入れば、当該の地域は17メートルの建物しか建てられません。高さ制限導入目前に、まるで駆け込みのようにして制限を越える高い建物を建てることが許されるのか。これが二つ目の論点です。もちろん、この高さ制限も主役は練馬区。つまり、このマンション計画は、練馬区が一団地認定や高さ制限でどういう態度を取るかによって、計画の存否そのものがくつがえるような代物なのです。
 さて、区はどういう対応をしてきたのか、これからしようとしているのか。議会に陳情も出されましたので、公に、区の姿勢と判断が問われることになるでしょう。練馬のまちづくりの基本が問われる試金石です。

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