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背信は許されない

 区の責任ある立場の人が、みずから約束したことを反古にした。しかも、その約束は、議会という公の場での約束たった。だとしたら、議会は、当然にも怒らなければならない。立場を問わず、約束は約束。守らせるのが議会の責務。守られないことを議会が許してしまうとしたら、それは、約束したことが守られないこと以上に、はるかに罪が重い…。
 関越側道の「車止め」の話です。“主役”は、土木部長です。
 この「車止め」を撤去するのかどうか、議会で大きな議論となり、最後は土木部長がみずから立って次のように発言しました。

 「(車止めの撤去にかかわる)本4件の陳情につきまして、現状と今後の対応の方向についてご報告させていただきます。
 区といたしましては、…一部沿道の住民の方々から、区の進め方に対して疑問の声が生じてございます。現在、私どもに対しまして、本件についての説明不足が指摘されるとともに、委員会からも地域の理解が得られるよう努めることが、求められていると認識してございます。そこで、区といたしましては、なお一層地域の方々の十分な理解が得られるよう、引き続き努力していきたいと考えております。今後も、地元町会を初め、地域の皆様とご相談させていただいた上で、地域全体としての意見交換の場が設置できるよう話し合いを続けてまいります。今しばらく、私どもの取り組みを見守っていただきますようお願いいたします。」(1/23環境まちづくり委員会)
 「いずれにしても、地域全体の議論の場が設置されるということに対して努力していきたいということを、この前申し上げましたけれども、引き続きこの場の設置で、地域の方々と早く意見を交換することを私どもの最初の目標としておりますので、あわせましてご報告させていただこうかと思っております。」(2/19同前)

 ここで部長が約束したことは、大きく次の三つです。
①説明不足等、この間の区の対応への指摘を踏まえ、地域の理解を得られるようさらに努力すること
②地域全体の意見交換の場を設置していくこと
③取り組みを見守ってもらいたい、またその推移について委員会に報告をしたいこと
 こうした部長の発言を受けて、議会は区の努力を見守ることとし、委員会に付託されていた関連の6本の陳情はすべて「審議継続」としました。
 ところがどうでしょう。5月11日、まさにこの土木部長の名前で、「関係議員」にあてて「5月23日に車止めを撤去する」という「お知らせ」が送りつけられたのです。いったい、上の三つの約束のどれが履行されたでしょうか。撤去反対の住民、とりわけこの問題の第一の当事者である側道沿道の住民に対しては、実質的な協議・話し合いはまったく行われてこなかった。もちろん、「地域全体」の意見交換の場もできていないどころか、どんな場をどうやって作るかの調整すらまったく進んでいない。そして最後に、議会には(少なくとも正式には)まったく経過の報告も撤去決定の説明もない。
 わたしは、これは、「背信」と呼ぶにふさわしい暴挙だと思います。土木部長、いやひいては区長の、住民に対する、そして議会に対する背信です。安易な撤去に反対してきた立場からだけでなく、議員として、議会の意義と尊厳を守るべき人間として、私は、この暴挙を断じて見過ごすことはできません。あらゆる手を尽くして、たたかいます。

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