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練馬駅北口区有地の“原点”(補遺)

 練馬駅北口の一角に残された区有地の「活用」をめぐる議論が、大きなヤマを迎えようとしています。この問題では、これまで2度、練馬駅北口問題の“原点”として7月8日と13日に触れてみました。その時にも書きましたが、カネボウ跡地をめぐり区・区議会が大きく揺れ動いたのは1977年。カネボウが自らの手による開発を断念し、放っておくと民間事業者による開発が進んでしまうという切迫した状況の中でのことでした。区議会では、この年、いくつかの請願・陳情が採択され、議会の公的な意思が確認されているのですが、その中で区議会として東京都に要望書を出していることを知りました。こうした要望書は議事録にも残らないため見つけられず、議会事務局に探してもらったところ、当時の議会運営委員会に出された要望書の案を見つけ出してくれました(写真)。
 事務局が手書きで作った案文です。当時は手書きなんですね…。なんだか一気に歴史をさかのぼった気がして、とても嬉しくなったのですが、この要望書は、議会が議会の名において正式にカネボウ跡地の取得を都に求めたおそらくは唯一の文書、歴史的な文書だと思います。そこには、この用地取得の目的がこう書いてあります。

一、広域的な防災対策の促進
二、同工場跡地周辺地域の環境改善
三、全区民が有効に利用できる区民施設の設置

 ここに示された公的な意志は、少なくとも区議会がカネボウ跡地地問題を考える際の基本です。この基本に沿って、同年、都が先行買収に入り、最終的には1983年に区が「環境改善関連用地」として全用地を取得することになります。
 今、練馬区が進めようとしている「活用」策は、それがどのようなものとなるにせよ、この区議会の公的な意志、用地取得の前提となった議会の判断にかなうものでなければなりません。

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