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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

大泉北口の100mビルは誰のため?

 大泉学園駅の北口、西武バスの車庫のある空間に、高さ100mのビルを建てる計画が動き出そうとしています。

     ➠過去の記事から。「大泉学園駅北口」(2010.11.17)/「また、100m!?」(2010.11.10)

 このビルを含む地域に地区計画をかけ、あわせて建築制限の規制や緩和を導入するための条例案がこの定例会に提出されています。もともとこの地域は高さ30mの制限がかかっていたのですが、それを撤廃することも盛り込まれた条例案です。
 この問題、とくに100mビルの建設とそのための高さ制限の撤廃については、私は繰り返し異議を唱えてきました。これに対し、区からはたとえばこんな答弁が返ってきていました。

 「このたび、関係権利者により市街地再開発事業が実施され、駅北口の課題などを解決することから、区として練馬区都市計画マスタープランにおける地域拠点としての位置づけに基づき、市街地再開発事業および関連する都市計画を決定していくものであります。都市再開発法では、市街地再開発事業の実施にあたり、事業区域内独自の高度利用地区を定めることが義務づけられていることから、高さの最高限度を変更するものであります。」(2011.2.9本会議)

 確かに都市再開発法では、市街地再開発事業を実施する区域は高度利用地区という指定を合わせてかけることになっています。しかし、高度利用地区だから高さ制限は撤廃しなければならない、あるいは100mの巨大ビルまで認めなければならないとは、実はどこにも書いてありません。
 今日の区議会全員協議会で、この問題について聞きました。
「高度利用地区になると高さ制限は撤廃しなければならないのか?」
「撤廃しなければならないということはありません。」
 こういう答弁です。ではなぜ撤廃するのか。なぜ100mなのか?答えはこうでした。
「駅直近で高度利用を進めるエリアである。地権者の生活再建に配慮する必要がある」
 駅に近いからと言って、なぜ100m? もともとの30m規制だって、十分に「高度利用」です。練馬は都心ではなく、大泉学園駅は六本木でも新宿でもありません。さらに「生活再建」となると、もう何を言っているのか分からない。何しろ、再開発ビルができる敷地の2/3は西武の土地なのです。
 要するに、地権者の利益に配慮して100mまで認めることにしたのだ--これが結論のようです。さびしい話です。そんなに簡単に自分で決めた高さ制限を撤廃してしまう骨のなさも悲しいけれど、駅前の景観や住宅地の玄関駅としてのたたずまいをちっとも大切に考えていないらしいその姿に、本当にさびしい気持ちになってしまいます。
 まちづくりのセクションに、まちを愛する気持ちはあるのかなぁ…

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