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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

外環と井戸

 外環つながりで、「井戸」の話を。
 今、国土交通省は外環延伸区間16キロメートルの全域で、「井戸調査」に入っています。先日、区内三か所で行われた説明会も、この井戸調査、そして測量と地質調査の概要を説明することがその主な内容でした。
 ところで、何のために井戸を調べるのか? 説明会に出ていても、よくわからない。計画線内のすべてのお宅に対して、井戸の有無から始まる調査をかけるというのだけれど、そんなにていねいな調査がなぜ必要なのか?
 どうやらこういうことのようです。
 「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(大深度法)という法律があります。地下40メートル以深の「大深度地下」を利用する際のルールを定めた法律です。外環も、この大深度を利用した計画なのですが、この法律によると、大深度を利用する事業については国の「認可」を受けなければなりません。そして、この認可にあたって、実は井戸の調査が義務付けられていたのです。

第十三条  事業者は、使用の認可を受けようとするときは、あらかじめ、事業区域に井戸その他の物件があるかどうかを調査し、当該物件があるときは、次に掲げる事項を記載した調書を作成しなければならない。
一  物件がある土地の所在及び地番
二  物件の種類及び数量並びにその所有者の氏名及び住所
三  物件に関して権利を有する者の氏名及び住所並びにその権利の種類及び内容
四  調書を作成した年月日
五  その他国土交通省令で定める事項
2  前項の調書の様式は、国土交通省令で定める。

 つまり、こうです。大深度地下を利用した事業の認可を受けるためには、まず、事業区域に井戸があるかどうかを調査し、井戸がある場合には定められた内容の「調書」を作成しなければならないのです。ここに示された調査こそ、まさに今、国が進めている井戸調査です。井戸調査は、外環道の整備事業が大深度法に基づく認可を受ける際の、不可欠の、法定の条件だったというわけです。
 それにしても、あの説明会で、国は井戸調査が法定のものであることをなぜ言わなかったんでしょう。設計や事業のために必要な調査の一つ、くらいにしか感じられない説明でした。そもそも、大深度法に基づく認可の手続き自体が、「今後の事業の流れ」という表には入っていません。変な話、ではありませんか?… 

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