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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

信義

 今週の月曜日、16日の交通対策特別委員会では、久しぶりに外環が質疑の焦点になりました。国が測量や地質調査などの入札を告示したことを受け、いったいこれからこの事業はどうなっていくのか、どうしていくのか。一般的に考えれば、入札を行うということは、今春の国幹会議で「整備計画」に格上げされた外環事業がいよいよ執行段階に入るということを意味すると取れるでしょう。しかし、一方で政府は道路事業全般の洗い直しの必要性を強調しており、また、練馬の選挙区で当選した民主党の衆議院議員、都議会議員の皆さんも程度やニュアンスの差こそあれ、青梅街道インタをはじめとして外環計画の見直しを口にしてきました。政権が代わり、はたして「整備計画」そのままに事業を進めるのか、「整備計画」を洗い直して修正・見直しに踏み込むのか、あるいはまた「整備計画」自体を白紙に戻すのか、外環問題にかかわりのあるすべての人が関心を寄せるこの点について政府が明確な方向を示すべき時なのですが、しかし、その政府の意向はいまだに見えてきません。
 こうしたあいまいな、あるいは未整理な状況の中で、このまま事業執行段階に入っていくことは、私にはとうてい理解できないことです。とくに青梅街道インタに関して言えば、インタ設置の必要性そのものもテーマとする地元町会の皆さんとの話し合いがようやく動き出した段階であり、こうした段階で頭越しに事業執行に入っていくことは住民との信頼関係を決定的に壊すものになりかねません。こうした問題意識で、16日の委員会では、特に事業説明会の時期やもち方に強くこだわって質疑をさせてもらいました。事業が地域で、あるいは住民の皆さんの生活の中で動き出す最初の節目が、この事業説明会だからです。
 私は、繰り返し繰り返し、繰り返し繰り返し、事業説明会の話が国から来ていないのかと問いました。担当課長の答弁は、聞いていないというものでした。
 たとえば、これは自民党の委員からの質問に対してですが、こう答えています(録音から)。
「現時点で開催時期等について国からは聞いていない状況でございます。」
 また、私との質疑の中では、こんな答弁もありました。
「一般的に説明会をやるとなれば、たとえば区報に掲載するとかそういった手続きが必要になることは事実でございます。ただ、まだ今の段階でそういった話はないので、どういうタイミングでどういう対応ができるかということは手続き上決まっていますので、もしやるんであればなるべく早い時期に教えてくださいと言っているところです」
 近いうちに国は事業説明会に向けて動き出すだろうとは思っていましたが、そうか、区にはまだ具体的な話は来ていないのか。私は、課長の言葉をすっかり信じてしまいました。
 馬鹿だったんですね…
 この委員会を前後して、私が一つ一つ確認していった事実は、この課長の答弁をことごとく覆すものでした。
①区は、10月28日と29日に、国土交通省外環調査事務所の依頼を受けて、石神井小(12/9)、泉新小(12/16)、上石神井中(12/18)の体育館を押さえていた!
②区は、12月1日号の区報用に、上記三会場での事業説明会を案内する原稿を提出していた!
 なんのことはない、10月末には開催時期や場所が特定され、会場も押さえ、さらには区報掲載の準備まですんでいたのです。たとえ最終的に実施を決定し区報掲載を決めるまでにはまだ至っていなかったとしても、少なくとも日時も場所も絞り込み、実際に手はずを整えていたのですから、「開催時期等については聞いていない」「区報掲載の話はない」といった答弁が全くのウソ、ごまかしであったことは明らかです。
 この委員会答弁以外にも、私は、今回の件で何度も区からごまかしの説明を聞かされました。区民、議員、そして議会に対する不誠実、信義にもとる行為、いや背信と言われても仕方のないひどい対応を受けたと、私は強く感じています。

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