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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

保育園「委託化」を考える その7

 日曜日の説明会で、区から今回の16園委託化による「財政効果」について、総括的な説明がありました。かいつまんでご紹介すると
●1園あたり、約2割、4000万円程度の経費節減になる
●16園の委託化が終了する2018年度までの累計の財政効果は、28億円余となる
●単年度あたりでは6億4,000万円の経費節減になり、これは60人規模の認可保育園3施設分の保育費に相当する
 ここには、準備委託経費など委託にともなって追加的に必要となる支出は考慮されていないようです。それらも含め、経費節減額が実際にこうした額になるのかどうか、これはこれで、検証の余地はいろいろとあると思います。しかし、この説明を聞いて、私は、保育に関する区のスタンスが象徴的に現れていると強く感じました。つまり、こうです。
■保育に関する財政支出の絶対額は増やさない。
■延長保育などのサービス拡充分だけでなく、今後の保育定員増にともなう経費についても、現に支出している保育予算の支出の見直し・「効率化」によって捻出する。
■長期計画に示されている認可保育園3園増にともなう保育経費の増加をまかなうために、16園の委託化を進める。

 そうか、長期計画事業分の財源を手当するための委託化か。それで16園か…「公私を半々にする、だから16園」というわけのわからない理屈に「?」だらけだったのですが、なんだかすっきりと納得してしまいました。 
 要するに、区にとって保育は、もはや新規に、あるいは追加の財政支出をすべき事業ではないということです。身を削ってやりくりしなければ、保育園を増やすことすらままならない…。一方で、区政全体を見れば、億、いや十億の単位で新規の支出をともなうさまざまな施策や事業が、トップダウンで進められています。ところが、保育は半ばスクラップ化され始め、働く(働きたい)母や父への支援は、区政の中でもはや“日陰者”扱いということでしょうか。削るところ、厚くするところが、志村さんは、私とはずいぶん違う。
 以上は、いくらかの推測を交えての感想です。しかし、最近の区の財政執行のスタイル、考え方を踏まえれば、そう外れてはいないはずです。そして、もし区がこうした姿勢であるとすれば、「待機児解消」が早晩棚上げされることは必至であったと言うべきかもしれません。積極的で挑戦的な姿勢がなければ、保育ニーズの拡大にこたえきることは不可能です。

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