経費節減を最大かつほとんど唯一の眼目とした保育園「委託化」計画。そのなかで保育サービスの水準は本当に「維持・向上」していくのか。区の説明を聞いていると、疑問は膨らむばかりです。
たとえば、区は説明会資料の中でこう言っています。
「受託事業者については、社会福祉法人を中心に企業等を広く公募し、基本として実績があり、適正かつ良好な運営ができる事業者の中から選定をしていきます。」
この「基本として実績があり、適正かつ良好な運営ができる」とはどういうことか。実は、豊玉第二保育園の父母会から質問が出され、区はこう答えているのです。
「基本として実績があり、適正かつ良好な運営ができる」とは、現在認可保育所を運営している実績があり、区が提示する募集要項に規定する延長保育等の保育サービスの実施や、職員配置、常勤保育士の経験年数等の条件を満たすことができることと考えています。(「資料請求について(回答)」 2007.7.6)
認可保育所を運営している、延長保育等を実施する、人員配置を満たす…えっ、これだけ?
ここには、肝心なことが書かれていません。それは、現在の保育水準を維持できるということです。保育水準をどう判断するかは決して簡単なことではありませんが、しかし、それが認可保育所運営実績の有無や人員配置などに矮小化されるものではないことも明らかです。
最初の「委託化」計画のとき、区がどんなことを言っていたか。思い起こしてみましょう。
現在の区立保育園のサービス水準は、23区の中でも高い区のうちのひとつであると認識しております。今回、委託化を計画している保育園におきましても、現在のサービス水準を維持し、更に充実してまいりたいと考えております。(2004年第3回定例会 児童青少年部長)
23区の中でも高い水準の保育を「維持し、さらに充実してまいりたい」。3年前には、こう言っていたのです。ずいぶん姿勢が変わったと感じるのは私だけでしょうか?
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