Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

保育園「委託化」を考える その2

 今回、区が明らかにした新たな「委託化」計画の内容をあらためて確認すると、こうなっています。

■区立直営園と私立・区立委託園が半々となるよう、2009~2016年度の8年間に、区立保育園16園を民間委託する
■委託する園は、09年度=豊玉第二、光が丘第四。10年度=北町、高野台保育園。以後も各年度2園ずつ委託に移すこととし、具体的な園名は改めて公表する
■移行準備期間を1年とる。豊玉第二と光が丘第四については、今年末から事業者の募集に入る


 8年の長期にわたり、区立直営保育園全56園のうち16園を委託しようというのですから、なかなか大変な計画です。新たな行政改革計画も未確定であり、現在の長期計画は2011年度まで。そのずっと先まで決めてかかる計画になるわけですから、よほど明確なビジョンや事業への強い確信があるに違いない、少なくともこれまで委託した3園の総括は万全だろう…と期待してしまうのですが、どうもそこからちょっと違う。16園から先はどうするのか。これから10年間という長期にわたって、「指定管理」や「民営化」ではなく「業務委託」で行くことにしたのはなぜか。こんな基本的なことすら、よくわからないのです。
 とにかく委託を続けるしかない、いろいろ課題もあるけれど、とにかく走っていくしかない、なんだか曲がりくねった道がぼんやりとしか見えないけれど、行くと決めたんだから行くしかない。そんな印象すら受けてしまいます。いったい誰が「走れ!」と号令をかけているんだろう??
 16園に預ける子どもたちは優に1,000人を超えるでしょう。これだけ多くの子どもたちの生活と、場合によってはいのちまで左右しかねない決定が、こんなにあいまいな、粗雑な、強引な形で決まっていくことに、私は強い違和感と恐れさえ感じます。
 なぜ、こうまでして「委託」なのか。
 18日、区は所管の委員会に「区立保育園の運営業務の民間委託について」という文書を提出しました。そこには、委託の目的がこう書いてあります。
「当面…16園の運営業務を民間に委託することにより、保育サービス施設運営の効率化を図り、待機児童の解消や在宅子育て家庭の支援などの財源を確保し、保育サービスの充実を積極的に進めていく」
 民間に委託することにより…運営の効率化を図り…財源を確保する。民間の進んだ保育に学ぶ、とか、区立保育園のサービスの質を引き上げるとか、そんなことは一言もなく、ただ「財源を確保する」。とっても分かりやすい「目的」です。まずはこの目的を検証してみます。(続)

コメント