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一般質問 ~光が丘のまちづくり~

 一般質問では、基本構想制定当時と今を比較しながら、まちづくりに関連する質疑もしました。とりあげたのは、練馬駅北口区有地の活用計画と、小学校跡施設の利用から広がりつつある光が丘のまちづくりです。
 光が丘については、小学校跡施設の利用計画をめぐって、議会や地域で大きな議論が続いています。そのなかでどうしても気になるのは、住民合意やそのための手続きをできる限り軽く、簡便に済ませようとする区の一貫した姿勢です。私は、「光が丘地域の住民の意向が無視され、合意形成がないがしろにされている…これは、由々しき問題であり、区の姿勢はただちに改められるべき」という立場で、質疑を組みました。
 区の粗略、粗雑ともいうべき対応を容認しがたいと考える理由は、二つあります。ひとつは、都市計画などの変更を伴うにもかかわらず、当該地域住民の意向がないがしろにされることの問題です。もうひとつは、「グラントハイツ跡地における学校施設等の整備に関する費用の負担に関する協定書」の持つ意味です。
 まず、一点目から。
 光が丘地区の小学校は、一団地の都市計画のなかで、施設の数や位置について定められています。小学校から転用するとすれば、まず、この一団地の都市計画の変更または廃止が必要です。区は、早い段階から、この一団地の都市計画を廃止し新たに地区計画を策定する方針を示してきました。問題は、①地区計画を策定する際の住民合意をどう考えるか、そして②地区計画の策定の中で当該学校施設を含む地域の用途地域をどう整理するか、です。一般に、区はこの間、地区計画を定める場合はまちづくり懇談会や協議会を設置し、粘り強く、また丁寧な合意形成の手続きを取ってきました。住民提案型の地区計画だけでなく、区提案の場合も同様です。では、光が丘ではどうするのか。これがひとつ。そして、学校跡施設の転用にあたって、現在定められている用途地域で認められた用途を超えた場合にどうするか。これが二つ目です。廃校となる4つの小学校は、いずれも、「第一種中高層住居専用地域」の用途地域が定められています。この用途地域においては、工場や遊興施設はもちろん、大規模なオフィスや商業施設も建設することができません。区は、少なくとも光3小と光7小については民間事業者への貸与を基本にすると明言してきました。そうすると、この用途地域の何らかの手直しが必要になります。そしてそれは、地域のまちづくりや都市計画の基本に深く触れる話となるため、住民合意はいっそう重い課題となるはずです。
 いずれにしても、住民合意とそのための手続きを明確にすることの必要性は明らかである--私はそう考えました。しかし、答弁はこうでした。

 「都市計画の見直しにあたりましては、地区計画制度を適用することが有力な手法と考えておりますが、既定の都市計画の内容の多くをそのまま継承する計画が想定されています。従いまして、見直し案の策定にあたっては、まちづくり協議会等の設置は行わずに、光が丘地区にお住まいの皆さまなどへ、計画案について丁寧な説明、情報提供を行い、ご理解をいただいてまいりたいと考えております。」

 一団地の都市計画を廃止しても、新しい地区計画を作っても、それはもともとの光が丘のまちづくりの「多くをそのまま継承する」ので、「説明、情報提供」で済ませられる。こういう答弁です。では、用途地域はどうするのか。これについて、再質問で確認すると

 「光が丘地域の一団地の見直しの関係でございますが、一団地としての都市計画の変更は当然なされるものですが、用途地域の変更につながるかいなかについては現在のところ未定でございまして、私どもの考え方としては、その変更にいたらない形で進めていこうと考えております。」

という答弁が返ってきました。用途地域の変更はしない…私が知る限り、議会での初めての答弁です。しかし、跡利用計画が、とくに3小と7小についていえば、現在の用途地域と矛盾することはほぼ確実です。用途地域自体を変更しないとしたら、ではどうするのか。
 その後の委員会での質疑や会派のヒアリングによると、区はふたつのやり方を考えています。ひとつは、建築基準法48条の「例外許可」を取ること。もうひとつは、地区計画において地区内の個別のエリアについて用途を緩和する「用途緩和型地区計画」を利用することです。
 確かに、こうしたやり方を取れば、用途地域そのものを見直すことは避けられます。しかし、例外許可は「特定行政庁が…良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合」に限られており、この判断にあたっては周辺住民の了解は不可欠です。また、用途緩和型地区計画にしても、いったん決めてしまえば、先々のまちづくりのコンセプトを先取りにしたものになっていくことは避けられません。いずれにしても、手続き上も決して簡単なことではなく、また住民の合意なしに進められることではないはずです。「説明、情報提供」にとどまらず、「協議、合意形成」をしっかりと求めていかなければなりません。
 もうひとつの問題、グラントハイツ跡地における学校施設等の整備に関する費用の負担に関する協定書」については、あらためて。

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