伊藤和也さん

ペシャワール会のスタッフとしてアフガニスンタでの農業支援に携わり、昨年8月、命を落とした伊藤和也さんの姿を追ったドキュメンタリー、『菜の花畑の笑顔と銃弾』を見ましたか?(NHK23日、再放送25日)

それにしても、美しかった…枯れた大地によみがえった菜の花の黄色、茶畑の緑。人々の手からこぼれ落ちんばかりの立派なサツマイモ、みずみずしいブドウ。そして、子どもたちの笑顔、お年寄りの額に走る深いしわ、貧しくも鮮やかな衣服の赤や青。取り囲む世界がどんなに厳しく凄惨なものであっても、時に上空に舞うヘリの爆音がどんなに耳をつんざいても、大地に水を引くことがどれほど困難であっても、この表情、この色、この瞬間、この人々とともにあるアフガンの大地と、その大地とひとつになった伊藤さんの残したものは、深く美しい…きっと、滅びない。

久しぶりに、中村哲さんの姿も見ることができました。一途にショベルカーのハンドルを握って、元気そうでした。毎日毎日、朝早くから夜遅くまで議会の準備に追われ、少々くたびれていた頭とからだのそこここでよどんでいた血液が、また、流れはじめました。