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前川区政、区立デイサービス「廃止」を宣言! 

前川区長が、区立デイサービスセンターの「廃止」を宣言しようとしています。

開会中の区議会に、区の新しい行政計画——『ビジョン』と『アクションプラン』の素案が報告されました。あわせて、これからの区立施設の在り方を定める『公共施設等総合管理計画〔実施計画〕』の素案も出されています。いずれも、2024年度から2028年度までの5か年の行政計画です。
この素案の中に、驚くような方針が新たに盛り込まれました。区立のデイサービスセンターを「原則廃止」するというものです。

7か所のデイサービスセンターが「原則廃止」

公共施設等総合管理計画(素案)の中に、こんな記載があります。

② デイサービスセンター
区内では民間のデイサービスセンターが200か所以上存在し、サービスも多様化していることから、区立デイサービスセンターは原則廃止します。
光が丘デイサービスセンターは、令和7年度に廃止します。跡施設は、はつらつセンター光が丘の拡大等に活用します。
高野台デイサービスセンターは、街かどケアカフェ、地域包括支援センターと複合化します。
その他のデイサービスセンターについては、地域性や施設ニーズ等を考慮しながら、廃止および跡活用、または他のサービスとの複合化の検討を進めます。

支援が必要な高齢者の在宅生活にとって欠かすことのできない事業に、デイサ―ビス(通所介護)があります。介護保険の在宅サービスの柱のひとつですが、介護保険が始まる前から長い歴史があり、練馬区内では区立のデイサービスセンターが大きな役割を果たしてきました。
現在、区立のデイサービスセンターは9か所あります。このうち、中学校内にあり、小規模で入浴施設もないなど特殊な条件にある練馬中学校デイは、この議会で廃止が提案されています。残る8か所のうち、高野台デイサービスセンターについては廃止ではなく他の機能との統合が方針となっていますが、それ以外の7施設が「廃止」に向けて動き出したのです。

「廃止」の対象になったのは、以下の7か所です。

これらはすべて練馬区社会福祉事業団が運営しています。いちばん古いのは土支田と豊玉のセンターで、30年前、1992年に事業を始めています。
7つのセンターの合計定員は1日当たり210人。登録している人は521人。延べ利用者数は51,496人に上ります(いずれも2022年度)。コロナ禍の前は延べ利用者数は6万人、登録している人も600人を超えていました。区内のすべてのデイサービスの利用者の人数が8千人程度になりますから、「廃止」を宣告された7つのデイの利用者はその6~7%を占めます。単純に数だけ眺めても、デイサービス=通所介護の、ひいては要介護高齢者の在宅生活の基盤を大きく揺さぶる「廃止」方針です。

利用者は600人にも

それにしても、歴史もあり、評価も高い区立デイサービスセンターを、なぜ「原則廃止」なのか。

区は、「区内のデイサービスは200か所以上あり、利用者は自分に合ったところを選択できる状況にある。民間で充足しており、区立のデイはもう必要ない」と言います。
本当でしょうか。

確かに、この10年、デイサービスは急速に数を増やしてきました。しかし、その多くは営利企業であり、支援の質も、事業の安定性も、働く人たちの立場や待遇も、たくさんの課題が指摘されてきました。介護報酬が絞られる中で、最近は事業所の減少傾向がはっきりとして来ています。
また、コロナ禍のもとで休止したり利用を制限する事業所が相次ぎ、行き場を失ったデイ利用者の姿を見るたび、おおやけ(公)がしっかりと責任を負う施設の大切さを多くの人が実感してきました。要介護高齢者の命を支えるかなめ、最後のよりどころとして、おおやけだからこそやれること、やるべきことがある――むしろ今、私たちが確認しなければならないのはこのことです。

「区立のデイサービスは、原則廃止とする。これから3年間かけて、個々の施設の方針を検討していく。廃止にあたり課題として、従業員への配慮や跡施設の活用などがあるので、そうしたことを3年間の間に検討し、3年を待たずに決定できれば報告したい。3年の間にすべて廃止するということではない。3年の間に検討し決めていく。廃止時期については3年以降にもなる。」
担当課長は、質疑の中でこう答えています。実際に廃止になる時期は3年以降かもしれませんが、条件が整い次第、3年を待たずに廃止になることもありえます。何より「原則廃止」の方針を打ち出し、遅くとも3年以内に各施設ごとの方針を決定していくことを宣言した意味はたいへん重い。区立デイサービスセンターが果たしてきた役割、そこに通う利用者・家族、そこで働く職員たちのことを考えれば、あまりに乱暴です。

「原則廃止」方針の撤回を求めます。

コメント

  1. 晋 山崎 より:

    練馬区役所は誰の声で動いているのでしょうか 区民の声と言うなら原則廃止もやむを得ません もしそうでないなら他の誰かの声で区立を止めるのなら、そんな区役所は要りません

  2. 井上 陽子 より:

    前川区長は全く区民の声を聴かないですね。利用者だけでなく、職員の方達も職を失うことになりますよね。練馬区は基金もたくさんあるのに、なんでこのように区民サービスの質を落としたいのかわかりません。「原則廃止」方針の撤回を求めて、頑張ってください。

  3. 野木千珠 より:

    光が丘デイサービスセンターを廃止して はつらつセンター光が丘のサービスを拡大という文言は それならいいかという印象を与えてしまいます その中身ははつらつとした高齢者限定で楽しむ居場所を増やすために本当に困っている人達を見捨てるという事でしかないと私には思えます