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「技監」ポスト

 4月からの管理職人事が発表されました。組織改正に伴う職名の変更を除けば、小ぶりな人事と言ってよいかもしれませんが、その中の目玉が「技監」ポストの新設です。聞きなれないこの言葉、「技監」とは何か。6日の企画総務委員会で説明を求めました。職員課長の説明です。

 主な改正内容は全庁における技術監理を行う職、統括部長いわゆる本部長級。具体的には、区長、副区長を技術的な事項に関し補佐するスタッフ職として設置し、外郭環状道路、都営地下鉄大江戸線の延伸、大泉第二中学校と都市計画道路の交差、また建築安全確認等、横断的な技術的な事項について補佐をする、また統括調整を行う職として設置するものでございます。

 「技監」の仕事は「技術的な観点からの区政の課題について組織横断的に統括調整を図る役職」だと言います。例示されたテーマは、確かにたいへん重要な課題であり、かつ環境まちづくり事業本部を超えて全庁的に議論し検討すべき課題です。「組織横断的」な「統括調整」が必要であることに異論はありません。しかし、それこそ副区長こそそういう仕事を担うべきポストでしょう?
 副区長は事務職で、専門的技術的なサポートが必要だ--こういう説明もありました。しかし、「技監」の仕事が技術的な補佐・サポートだけでなく、むしろ「統括調整」であることは、こんな答弁からも明らかです。

 今の(部長としての)所掌には他の部局に対する調整、指揮という意味合いの権能は完全にはないわけでございます。これを位置付けることによって組織横断的なものについて強い意味での調整ができる。それを先ほど「統括調整」と申し上げましたけれども、そういう役職として置いたというものでございます。

 「強い意味での調整」ができる…なかなか大きな意味を持ったポストです。しかも、このポスト、都市整備部長が都市整備部長のまま兼務することになりました。うがった見方をすれば、都市整備サイドが全庁的に事業を進めていくための足がかりを築いた、なんて言えなくもありません。
 ところで、この「技監」、「建築安全確認」つまり例の大規模な建築基準法違反の問題も所掌するとされています。しかし、ちょっと待て、都市整備部長は、建築基準法関係の問題ではむしろ責任を問われるべき立場、場合によっては処分も受けることになる当事者ではないのか?
 建築基準法違反やその後に飛び出した“文書改ざん”あるいは“虚偽答弁”問題については、まだまったくけじめがついていません。いずれも関係者の処分は必至です。組織としてのけじめ、責任という点から考えたとき、実は今回の人事は他の部署も合わせ、たいへん強い違和感が残るものとなっています。(続く)

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