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学童クラブや植物園が「仮設」? ~「建築安全調査」の質疑から~

 14日の企画総務委員会で、区立施設の「建築安全調査」についての報告があり、かなり踏み込んだ質疑をしました。そのなかで、区立施設の中にどうやら「仮設」で立てられ、そのまま使用が続けられているものがあるということが明るみに出ました。私の質疑は、調査報告のこの記載から始まりました。

「平成11年の建築基準法改正による完了検査の強化以降、検査済証を取得していないものは3棟である。うち2棟は、平成11年と13年に建設された学童クラブで、所管課によるリース物件であった。待機児対策の必要性の中ではあるが、職員や組織の中で建築基準法が十分に認識されないまま施設建設が行われ、手続の不備が生じたと考えられる。」(報告書24p)

 学童クラブがリース? これ自身、私は知りませんでした。いや、厳密に言えば、当時の予算書を見直すと施設整備費が「建物借り上げ料」として記載されていましたから、見逃した議員の側の問題でもあるのですが、とにかくこの文章を読んでまず思ったのは、「リースって仮設じゃないの?」ということでした。ちなみに、ここで書いてある二つの学童クラブとは「早宮小学童クラブ」と「練馬小学童クラブ」だと言います。リースになった経緯については副区長から一定の説明がありましたが、区の所有に移す時に適切な手続きがなされたのか、そして何より仮設かどうか、仮設だったとしてどういう問題があるのかないのかは、次回の委員会までに整理をして報告することになりました。もともと34のクラブのうち11のクラブで「完了検査済み証」がありませんでした。子どもたちが日常使う施設であるだけにたいへん気かがりな問題です。
 もうひとつ、個別の施設について問いただしたことがあります。光が丘にある植物園のことです。この植物園は、花と緑の相談所に併設されていますが、なぜか相談所は都あてに計画通知が出されているのに、植物園は区当てに出されています。もともと光が丘は一団地の総合設計がかかっていますから、都が特定行政庁として建築基準法の手続きにあたるはずですから、これはなかなかに不思議な話です。実は、この植物園も「仮設」でした。この問題は、またあらためて取り上げたいと思います。

 質疑の最後では、例の区長の「遺憾」発言について取り上げました。その部分の質疑をそのまま紹介します(正式の議事録ではありません)。最終的には副区長から「申し訳なかった」という発言がありましたが、昨日の予算特別委員会では、相変わらず総務部長が「遺憾だ」と答弁。しみついたメンタリティがあるんでしょうか…

池尻委員 最後ですけれども、私、この調査報告書を読んで、区民がどう思っているか、どう感じているかってことが、どうして区にこんなに伝わらないのか不思議です。あるいは民間の方がどう感じているか伝わってないのが本当に不思議です。実は記者会見の時に、区長はコメントをお出しになっている。これは委員会には出されてません。これ、でもホームページには出てます。このコメントを読んでみますと、なんて書いてあるか、「今般、建築基準法に定める手続きの不備が、小中学校その他の区立施設において数多く判明したことは、極めて遺憾であります。」とこうしか書いてない。「遺憾」という言葉はね、ふさわしくないですよ。今回の事態は。だって、施工主、ここに上がっている何百棟のもの建物の、施主は区長ですよ。それだけじゃない。この建築基準法の事務を適正に管理すべき特定行政庁も区長なんですよ。まさに区長は当事者ですよ。当事者たる人が、何で「遺憾」なんて言葉で済ませられるんですか。こういう感覚というのはね、これだけ大きな問題を現実に起こしたわけだから、もちろん事情は色々あるってことはわかりますよ、だから遡って、あーだこーだしつこく責任を問う必要があるかどうかについては私は、そこにはいろんな思いがあります。でも調査報告をまとめて、いろんな意味で反省すべき点があったとお感じになるんだったら、トップであり且つ最高の責任当事者である方がおっしゃるのは、「遺憾」の言葉じゃなくて「謝罪」の言葉ですよ。区民のみなさんに、ご不安とご迷惑をおかけしましたという「謝罪の言葉」ですよ。何故、「遺憾」としか言えないのか。私はしっかりと区民に対して反省だけじゃなくて、やっぱり申し訳なかったと言う一言を言っていただきたい、この場で。区長いかがですか。
副区長 いずれに致しましても今、池尻議員が引用されましたコメントの中でも、区長としてこの結果を真摯に受け止めて適切な対応を図っていくという趣旨で書かさしております。書かさしていただいております。この真摯に受け止めるということの中に、この調査報告書の中でも私どもの、不適切な、歴史的に不適切な組織的な対応があったということが、ございます。そう言う意味で、一定ご理解いただきたいと思います。基本的にですね、こういう事態になってしまいまして、区民のみなさまにご心配をおかけしたということは、私どものとして、本当に申し訳ないと思っております。こういうことが二度と起こらないようにですね、組織的な改善、質的な改善、これに努めてまいります。
池尻委員 私、副区長にも申し上げたいですけれども、「真摯」にという言葉に、そういう言葉が含まれているとおっしゃる。私は、そういうある意味ではサポートというか、ご配慮そのものが、本当に適切なのかどうかってことを、私は副区長にはぜひお考え頂きたい。私は、これはだって大半のことは昭和の30年代40年代、せいぜい50年代の話ですよ。今の区長さんが自ら直接に責任を負われたケースっていうのは本当にレアだと思います。ただ、これは職制として当然責任を負わなきゃいけないわけだから。その時には、やっぱりもう、誠実にというか、正直に語るべき言葉を語られたらいい。真摯という言葉の中に含まれているなんて、私はどう考えても、無理なお話だと思います。ただ、申し上げても仕方ないのかもしれませんから、それは大変残念だと申し上げて私の質疑はおわります。

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