Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「宝くじ」と区長会(その2)

 9月の定例区議会に、補正予算案が出されました。その中に「2020年オリンピック東京招致機運醸成事業経費」として1000万円が計上されていました。オリンピック招致自体をどう考えるか、またその「機運醸成」のために区として1000万円を支出することは適切なのか…。いろんな議論を呼ぶ予算なのですが、私が一番引っかかったのはその財源です。この1000万円は、すべて「特別区共同事業助成金」で賄われるのですが、実は、この助成金を交付するのが区長会、そして区長会が助成金の財源とするのが宝くじの収益金なのです。
 仕組みは、こうです。宝くじの収益金を管理・運用する東京都区市町村振興協会が、サマージャンボ宝くじの収益金から5億円を区長会に交付する。名目は「2020年オリンピック東京招致機運醸成事業経費」。この5億円を受け取った区長会は、そのうち2億3千万円を23区に1000万円ずつ助成し、残りの2億7千万円はオリンピック招致委員会に助成する…。区長会からはこんな説明資料が出されています(下図)。
 練馬区の1000万円は、全体で5億円にもなる事業の一部でした。そして、その5億円はサマージャンボの収益金からの貴重な財源だったというわけです。しかも、5億円の半分以上は23区ではなく、民間のNPO団体でしかない招致委員会に右から左へと流れていきます。少なくとも、宝くじの収益金は「地方財政資金の調達」を目的としたものだったはずですが、NPOに流れる2.7億円はどう考えても「地方財政資金」だとは思えません。
 いったいこの5億円の流れは、どこで、どうやって決まったのでしょうか? 区長会は、どういう権限を持ってこの5億円を受け取り、そしてオリンピックのために支出することができるのでしょうか。5億円の財源があったなら、もっとほかに、優先度も緊急性も高い「共同事業」があったのではないでしょうか? 疑問は膨らみます。(続く)

コメント