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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「契約社員」

 行政の事業や施設を民間に任せる「委託化・民営化」が、練馬区でもどんどん広がっていますが、その中ではっとさせられたこと。それは、「契約社員」という身分が、どんどん広がっているということです。たとえば、この4月からカウンター業務を委託した図書館です。委託に移った4つの図書館で働く委託会社の社員は、現場責任者を筆頭に76人全員が「契約社員」なのです。正社員は一人もいません。
 実は、光が丘第八保育園の運営を委託された(株)ピジョンも、全員が「契約社員」だと言います。「契約社員」の定義は明確なものはないようですが、共通するのはだいたい1年を限度とした期限付きの雇用であること。雇用の限りがないいわゆる「終身雇用」であった旧来の正社員との、決定的な違いです。この違いは、働く人の待遇や身分の安定性という点では、とても大きな差を生みます。1年ごとの契約更新ですから、極端に言えば、1年待てばいつでも解雇できます。最低限の社会保険こそあっても、勤続年数に応じたベアや一時金の支給などは、当然、なじまないということになっていきます。これだけ広がっているところを見れば、企業にとっては大変便利な雇用形態なのでしょう。しかし、これでは安心して働き続けることはできません。仕事への愛着も、経験の積み上げも、あまり期待できないでしょう。
 「パート・アルバイト」をどんどん増やすだけでなく、正社員をそのまま「契約社員」に置き換えていく動きが、こんなに進んでいるとは思いませんでした。広がる「格差社会」の底流に、こうした働き方の変化があることは間違いありません。しかし、それにしても、図書館や保育の現場をここまで「契約社員」にゆだねていて、いいのでしょうか?

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