Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

議員の報酬 その2

 審議会の答申は、どういう理由で議員報酬の引き上げを「妥当」としたのか? 理屈はいたって簡単です。つまり、練馬区と同規模(人口60万人以上、財政規模1500億円以上)の区や市の議員報酬の平均が648,000円になる。だから、648,000円に、というわけです。
 比較されたのは、大田・世田谷・足立・江戸川の各区に、鹿児島、熊本、岡山、相模原の4つの市です。つい去年の報酬審議のときまでは23区の中だけで比較してきたのが、ここにきて唐突に、都外の自治体が持ち出されてきました。なぜ基準を変えたのか。その理由を、答申は、区議会議長会から引き上げの要望が出されたからと説明します。つまり簡単に言うと、23区全体が低いという訴えがあったから23区以外と比べてみた、という理屈です。
 しかし、この理屈がなかなか理解できない。東京とは財政事情も政治環境もまったく異なる地方の都市(4つのうち3つは県庁所在地)を引っ張ってくることがどうして合理的なのか。もし、23区の議員報酬の水準自体が低いというなら、そもそも議員の仕事や報酬はどうあるべきかという議論からやり直すべきではないのか。もしかしたら他の4市が引き下げを検討すべきなのではないのか。23区全体が低いと言っても、では他の区は練馬区同様に引き上げるのか…
 どうやら、今回、議員報酬の引き上げを検討しているのは練馬区以外は大田区だけのようです。そうなると、もし練馬区が3万円以上も引き上げたら、23区の中では頭一つ抜け出した最高級取りになってしまいます。つまり、審議会がこれまでほとんど絶対の基準としてきた23区内の同規模区とのバランスが決定的に崩れてしまうのです。それでも上げる? なぜ上げる?
 数字の根拠付けはともかく、今回、議長会がわざわざ報酬引き上げを求めるアクションに出た理由は、「議員の暮らし向きはきびしい。このままでは議員活動に支障をきたし、有能な人材が得られなくなる」というものです。これについては、また改めて。
議員の報酬 その1 は2月13日です

コメント