20日、東京都が「練馬区における外環の地上部街路のあり方(複数案)」を公表しました。
➡「複数案」については、都のホームページの こちら から
外環については、本線が地下化された中で、地上部街路いわゆる「外環の2」の都市計画上の取り扱いが懸案となっていました。今回示された「複数案」は、都が当初から示していたスキームでは都市計画の案を決めるに先立って提示されることになっていたものです。地上部街路のあり方を考えるうえで、極めて重要な動きです。
都が「複数案」として示したのは、都市計画の区域を縮小する案が二つ、幅員で言うと18mと22mの2案。それと、幅員はそのまま40mとする案、この3つです。それぞれの案の評価は機会を改めるとして、今回の「複数案」を考える際の基本的な論点を整理してみました。
①なぜ練馬区区間のみなのか
「複数案」は、そのタイトル通り、「練馬区における」外環の2のみを対象としたものです。外環の2自体は、外環大泉インターチェンジから東八道路まで全長9kmの計画ですが、そのうち練馬区部分は約4km。「複数案」は、この4kmからさらに大泉や青梅街道の外環ICエリアを除いた部分を対象としています。当然、ここで疑問が出てきます。杉並や三鷹の区間はどうするのか? 「広域的ネットワーク」であると言っていながら、なぜ練馬区部分だけを抜き出すことができるのか? これは、外環の2の都市計画上の位置づけという、基本にかかわる論点です。
②なぜ「都市計画の廃止」が排除されたのか
「複数案」は、いずれも道路を通す案です。しかし、もともとは都市計画を廃止するという選択肢も都は示していました。なぜこの選択肢が消えたのか? 「複数案」の資料には、この点の説明は全くありません。これもまた、重大な論点です。
③都市計画の変更のルールをどう作るのか
「複数案」は、都市計画としての外環の2の廃止という選択肢は排除しましたが、しかし、40m幅員の道路を半分近くも縮小するという選択肢を残しました。これは、今後の都市計画道路全般の取り扱いを考えるとき、なかなかに大きな意味を持っています。個々の都市計画道路は、法に直接根拠づけられたものでもなく、また議会の議決を経たものでもないにもかかわらず、さらには計画根拠自体があいまいなものが多数あるにもかかわらず、事実上の聖域として取り扱われてきました。それが変わりつつあります。都市計画道路の検証、見直しが当たり前になっていく転機として、この「複数案」を考えることもできそうです。それは、他の道路計画にも必ず波及していくでしょう。
いずれにしても、外環の2の取り扱いが区政の課題として再び前面に出てきました。しっかりと取り組みたいものです。
コメント