私の周りでも、まだ4年になる前から、大学生たちは「就活」に追われています。なかなか仕事が決まらない、何十、何百の会社にアプローチしても、そもそも面接にすらたどり着けない…高卒となると、さらに大変でしょうか。
そんな中で、練馬区が2011年度の新規採用を「ゼロ」にするという方針を決めました。従業員が5人や10人の小さな会社とはわけが違います。この間、人員をぎりぎりと減らしてきたとはいえ、それでもなお練馬区は5000人に上る職員を抱えた巨大な事業体です。毎年、退職者数は150人前後にもなり、毎年の人員削減の中でも100人近い新規採用を続けてきたその練馬区が、とうとう新規採用「ゼロ」。冷え切った雇用環境に、さらに冷水を浴びせるようなメッセージです。
しかし、この新規採用中止は、組織としての区のあり方にも確実に影を落としています。経験や技術・技能の継承、年代構成のバランスの確保、組織の活力の維持など、いろんな意味で新しい人材の確保は組織にとって大切な課題です。逆に、新規採用を行わないということは、しばしばその事業体が組織の行き詰まりや事業の停滞に陥っていることのサインとして受け取られてきました。
そうした意味で、練馬区が新規採用を「ゼロ」にするというこの決定はなかなかショッキングであり、また象徴的です。練馬区はどこへ行くのでしょうか。練馬区の5000人の組織は、組織として、果たして衰退をはじめていないでしょうか。どんな事業も、その成否は、最後はそれを担う人の熱と力によって決まります。組織管理、組織政策としてみた練馬区政は、はたして破綻しようとはしていないでしょうか。
練馬区の明日が、心配です。
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