この定例会で区政の重要課題の一つとしてクローズアップされたのが、「新病院」問題です。一般質問で「大泉地域に高度医療の新病院誘致を!」といった主張をする会派もあり、予算質疑の中でも何度か取り上げられました。
きっかけは、都の保健医療計画改定の動きです。この4月からの5年間を対象とした新しい計画の案が公表され、そのなかで、練馬区も含めた「西北医療圏」の病床数がこれまでの「過剰」から「不足」にかわったのです。保健医療計画で定める基準病床数を上回る地域では、原則として新しい病院の建設はできません。この間、西北医療圏はずっと既存病床が基準より多くなっていたため、区内での病院整備はきわめて困難でした。しかし、不足しているということになれば、事情は一変します。そこで、「新たな病院を!」といった声が一気に表面化したのです。
さて、どうするか。少し落ち着いて考えれば、新たに病院を作るというのはなかなか大変なこと。まず、誰が手を挙げるのか。どんな病院にするのか。区はどう関わるのか。これだけでも大変なことです。おまけに、どこに作るか、まずは土地が必要です。
今日の高齢者・医療等特別委員会で、この問題が議論になりました。理事者(区)の見解は、「はじめに新病院ありきではない」「新しい病院建設は中長期的な課題」とする一方、この機を捉えてぜひ区内のベッド数を増やしたいというものでした。現実には、順天堂練馬病院や日大光が丘病院の増床という形でのベッド確保を優先して検討しているということです。しかし、増床にしても、土地が要ります。今の敷地では、両病院ともいくらかでもまとまった増床はまず無理です。区は、たとえば学校統廃合後の跡地なども念頭に考えているようです。
重ねて、さて、どうするか。
私は、こう主張しました。「ベッド数を増やすとしても、急性期の一般病床に限らず、質の高い療養病床やリハビリテーション病床などを整備することも含めて検討すべきである。」「区の財政支援等が必要となる可能性が高い。そうであれば、単にベッドの確保だけにとどまらず、在宅医療も含めた地域の医療基盤の現状を幅広く検証して、区の医療政策の課題をみきわめてもらいたい」と。
皆さんはどう思いますか?
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