Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

新・光が丘病院 約束は果たされたか?(続)

 地域医療振興協会・練馬光が丘病院の4月分の診療実績が出ました。開院2年目に入って最初の月。協会の説明では、4月には342床全病棟をオープンしたとのこと。実績が注目されていましたが、こんな数字でした。
     ●入院患者数 延べ5,347人 1日当たり178.2人 うち小児科はそれぞれ349人、11.6人
     ●外来患者数 総数10,883人 診療日1日当たり435.3人

3月に比べ、1日当たりで入院は15人、外来は30人程度の増となります。入院は、稼働率がようやく5割を越えました。少しずつ伸びているが…というところでしょうか。

 それにしても、あらためて区の語ってきたことを思い起こします。新病院が1年目にどのような実績を残すべきか。2011年12月8日、医療・高齢者等特別委員会で委員の質問に答えて、地域医療課長はこう答えています。

地域医療課長 まず、引き継ぎで、同規模同程度という一番の骨子は、342床の許可病床数については引き継いでいく。それから17診療科目の内容についても引き継いでいくというのが条件でございます。
 今、委員からお話がありました、現在だんだん患者が減っていくのではないかといったことにつきましては、これは必然的にあり得ることだと思います。
 ただ、例えば昨年度、平成22年度の日大練馬光が丘病院の年間の病床稼働率というのは概ね77、78%だったかと思います。そういった入院の状況とか、1日の外来患者数なども、年間平均で1日当たり約770、780人という状況でございました。そういった水準というのは、年間を通して地域医療振興協会にはやっていただきたい。できれば、それ以上の稼働率、外来患者数でやっていただきたいというのが、私どもの思いでございます。
地域医療課長 当然のことながら、一たん患者数は減っていく。なぜならば、東京都にも指導を受けているのですが、引き継ぐ際は、安全を第一にしてほしいということを言われてございます。
 安全第一ということは、通常は居抜きの形で、ドクターとかがいらっしゃるのですが、今回は全く、ドクターが入れかわるということでありますので、特に入院患者については、引き継ぎについては十分に気をつけるようにということです。
 そのためには、ベッドコントロールと申しましょうか、一たんは落としていいから、とにかく安全を第一にしてくださいということを東京都には言われております。そういった点については、今後、日本大学、地域医療振興協会を含めてお話をしていかなければなりません。
 ただ、いずれにしましても、それは一時的ということでございますので、当然4月1日以降は、新しい病院としての入院、外来が引き続いていくわけでございます。先ほどもご質問がございましたように、昨年、日本大学が行っていただいている入院、外来等の年間を通した数字というのは、これは当然のことながら維持、その部分はやっていくということでございます。

 初年度から、「入院、外来等の年間を通した数字」は日大と同等もしくは「それ以上」でやって頂きたい。課長はこうはっきりと答えています。現実は、全く違いました。見通しが甘かったのか、できるはずもないことを口にしたのか。当の課長はこの4月には異動をしてしまったので、議会の場で聞くことはもうできないのかもしれませんが、こうしたやり取りを思い返してみると、議会での質疑とはなんなのか、改めて考えさせられます。

 いずれにしても、4月18日の記事で触れたように、初年度の実績は日大当時と比べて半分に届きませんでした(一部、数字の訂正が入っていますので、ご確認ください)。年間を通してどころか、まる1年たった4月の単月ベースでも、日大当時の6割に届いていません。病院現場では様々な努力が続いているものと信じますが、しかし、結果だけ見れば残念な数字であり、区の期待はかなわず、光が丘病院は大きな宿題と責任を背負いつつ2年目に入ったと言わなければなりません。これからも、病院のありようと行方を注視していきます。

コメント