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「風疹」予防接種、成人にも公費で助成

 風疹の流行が深刻になってきています。特に、東京、神奈川や大阪などで患者が多数、確認されています。

 第18週(4月29日~5月5日)は90人の風しん患者の報告があり、2013年の累計は1,918人となりました。第7週(2月11日~2月17日)以降続いていた、1週間あたり100人を超える患者報告数は100人以下となりましたが、ゴールデンウイーク期間中の医療機関の休診の影響も考えられます。今後も十分な注意が必要です。(東京都感染症情報センター➡ こちら)

 風疹は、現在は公費による定期予防接種が行われており、12~90月までの間に2回、接種を受けることになっています(集団接種ではなく個別接種)。しかし、このような形になったのは1995年以降のことで、それまでは中学生、しかも女子だけの接種でした。接種対象が大きく変わった時期に、適切に接種を受けなかった人たちが多数生まれることになったようです。このあたりの経過はなかなか分かりにくいのですが、京都府のHpにあった説明を引用しておきます。

風しんのこんな歴史を知っていますか?
 …1969年以降世界は風しんワクチン時代に入り、小児全員にワクチンを開始した米国はその後の風しん流行と先天性風しん症候群を制圧しました。英国と日本は妊娠可能になる中学生女子だけを対象としたところ、ワクチン開始後も5年周期の風しん流行が続きました。
 1994年、日本は予防接種法を改正し、ワクチンを接種する対象を1~7歳半(12ヶ月~90ヶ月)の男女に変更しました。…
あなたは風しんワクチンを受けましたか?
 予防接種法改正によってその後の風しん大流行はありませんが、1994年当時7才半を越え中学生までの女性は、定期接種を受ける機会が少ない「谷間世代」となってしまいました。
 厚生労働省は、この谷間世代(1979~1987年生まれ)に対して、2003年9月まで一部公費負担にして接種を呼びかけました。
 しかし全国の20~39歳の約520万人(うち女性は約70万人)が風しんに対する免疫を持っていないと推計されています。「谷間世代」は、2004年で16~25才になり、現在子供を産む年齢を迎えています。


 この「谷間世代」、さらに男性の場合はそれより上の世代で未接種の人がかなり多くおり、それが風疹流行の潜在的な背景となっていたのです。そのことは、数年前の大流行の時にも指摘されたことでしたが、抜本的な対策は組まれず、とくに任意接種となるために生ずる費用負担が大きなネックとなっていました。
 ここに来て、急激な患者の増加を前に、各自治体が対応に動き出しました。3月下旬、東京都は緊急対策として大人の風疹予防接種に対する公費助成を開始、それを受けて各区市町村が相次いで助成事業を始めたのです。練馬区も、一定の要件を満たす成人男女の接種費用を全額負担することになりました。3月22日の事業開始からの1か月弱で1500人近くが申し込みをしており、この数はさらに増えているとのことです。

     ➡練馬区公式Hp 大人の風しんが流行 予防接種費用を助成中 

 風疹の予防接種の副反応については、国立感染症研究所ではこう説明しています(こちら)。これらも確認しながら、風疹感染のリスク、とりわけ胎児への影響を回避する努力を広げていきたいものです。

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