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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

契約

 ここのところ、「契約」についていろいろ考えています。担当の課長さんにもたびたび来てもらって、話を聞いています。「契約」の話は結構、深い…実感です。
 契約の一つに「随意契約」というのがあります。契約は、その透明性をはかり、また支出の効率化を図るために、原則は入札になっているのですが、いくつか例外があって入札によらない契約が認められています。これが随意契約です。随意契約の中で大きいのは、ひとつは小額(といっても工事なら130万円まで)の契約。もう一つは、契約する中身によって特定の事業者をあらかじめ定めて契約する方が合理的で妥当であると考えられる場合に認められるもので、「特命随意契約」と言われます。最近広がっている「公募に基づく契約」も、この特命随意契約の一種です。
 随意契約は、価格をものさしとした競争(入札)が行われない分、ともすれば、契約権限を持つ人間の恣意が入り込みかねず、それがまた、癒着や権力の乱用を助長しかねません。だからこそ、随意契約が可能な範囲は限定され、随意契約をする場合も、その透明性や公正さをどう担保するかはしっかりと検討される必要があります。
 実は、この特命随意契約が大変広範囲に行われているのです。所管課から提供された資料によれば、昨年度の特命随意契約は927件、総額で100億円を超えます。契約の最高額は電算機器の賃貸借契約5億2千万円でした。いずれも大変な金額です。どうやって事業者を決めているんだろう、手続きや基準はどうなっているんだろう、契約の執行状況について検証はされているんだろうか…大いに気なってくる数字です。
 実は、保育園の委託も「特命随意契約」です。なるほど最初の選定はその手続きもプロセスもかなり公開されています。しかし、2年目からは通常の特命随意契約として更新されています。契約額は1園当たり約2億円、先日発表された委託化計画が実施されれば総額で40億円にもなる大規模契約がこうした形で処理されていくことに、私は不安と疑念を抱いています。
 ところが今、その保育園の契約を、3年間分をまとめて随意契約できる「長期継続契約」にしようという話が進んでいます。事業者や区にとっては、確かに便宜を図る選択です。しかし、利用者にとってどうでしょう?そして、適正な契約事務を求めるべき議会や区民にとっては? 担当課長さんには、もう少しお付き合いをお願いすることになりそうです。

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