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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

大泉高校の「改築」計画

 今夜(22日)、「練馬地域中高一貫6年制学校に関する計画説明会」に参加してきました。都立大泉高校を母体として、新たに中高一貫の学校を作るという計画があり、すでにそのための施設整備に関する基本設計が始まっています。この計画について開かれたはじめての説明会です。
 ずいぶんたくさんの参加がありました。100人近かったでしょうか。卒業生を中心とした大泉高校の関係者が多かったようですが、それにしても、関心の高さには驚かされます。はじめての説明会とあって、内容も、そもそもここに中高一貫校を整備するその趣旨や経過から始まり、議論もこの点をめぐっていろいろと出されました。中高一貫校とは何ぞや、都立高校の「改革」とはそもそも何のためか…感ずることは多々ありますが、問題はそれだけではありません。説明会でも何人かの方が触れた「桜」の問題もそうです。施設整備にあわせて隣接道路の中心線から3メートルまで敷地後退することになっているのですが、どうやら、この後退のために何本かの桜が伐られそうな気配なのです。そしてまた、この新しい学校の発足にあわせて現在の大泉高校が抜本改築されることになるのですが、それが地域にどのような影響を及ぼすのか、これもまた、実はたいへん気になるテーマです。
 都の説明では、中高一貫校を設置するためには現在の校舎の増築・改修では対応できず、改築(建替え)がやむを得ないということはそれなりに理解できました。しかし、改築には、二つのやり方があるそうです。ひとつは、都が今、検討を進めているように、現在の校庭側に新たに校舎などを建設するもの。これを「反転改築」(?)と言うらしいのですが、もうひとつ、現在の校舎を取り壊し、そのあとに新築するというやり方もあります。どちらを選ぶのか。都は、「反転改築」のほうを選びました。その理由は、こちらのほうが工期が短縮できるからだそうです。
 ふむ…ちょっと考えますね。確かに、工期が短くなれば、生徒が仮校舎で学ぶ時間が短くて済むというメリットはわかります。しかし、校庭側に新たに大きな建物ができれば、当然、校庭周辺にお住まいの皆さんの住環境は激変する可能性があります。校庭の北側や東側には、たくさんの住宅があります。そこの皆さんの事情は、考慮されているのでしょうか。
 説明会の最後に、まさにこのエリアにお住まいという方が発言されました。日照が制限されることへのご不安でした。そうだと思います。こんな声があまり出なかったのは、今日の説明会の大きな宿題であったと言わなければなりません。
 これだけ大規模な改築計画です。少なくとも、生徒や教育上の利便だけでなく、地域の住環境への影響という視点からも、改築の手法にまでさかのぼって吟味・検討するのが筋です。幸い、練馬区には「まちづくり条例」があります。こうした大規模な開発計画については、近隣の住民が意見を出し、あるいは区が調整を図る手続きが定められています。慎重かつ誠実な対応を、都には求めたいものです。

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