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卒業式

 今週は、“卒業式週間”。地元の小・中学校に、今年初めてご招待を頂いた都立大泉養護学校の3校の卒業式に出席しました。
 知っている子も何人もいる地元の学校の卒業式は、なんと言っても、感慨深いものがあります。ただ、いつも思うのは、もう少し自由で個性のある式であったらよいのに、ということです。じっと座って人の挨拶を聞く、呼名を受けると来賓席の前で必ずぎこちない一礼をしていく、整然とした起立・着席・方向転換、どうしても型どおりに聞こえてしまう在校生との言葉のやり取り…節目の場だから、そういうところもあってもいいのだとは思いますが、でも、子どもたちの子どもたちらしさって、あるいは学校ではぐくまなければならない子どもたちの本当の力って、そんなところにあるんじゃないよな、と感じてしまいます。終わって退場して、廊下ですれ違いざまに元気よく握手したときの子どもたちの顔がやっぱりいいよな…
 大泉養護学校の卒業式は、小中学校や都立の普通高校に比べて、ずいぶんと雰囲気の違うものでした。卒業証書を渡すときに、ひとりずつ校長が名前を呼び、しかも「さん」付けで呼ぶ。重い障害の子どもたちも多いから、当然ながら時間もかかれば、間も空くし、思うとおりに行かないこともたくさんあって、そのことを受け入れて寄り添おうとする教師たちの姿勢がまた、なんともほっとするゆとりと優しさをかもし出してくれる。在校生とのやり取りも、カチッと定められたものにはなりようもなく、笑いも、涙も、自然にうかんでくる。先生たちは子どもたちのあいだに入って介助と声かけに追われ、職員席に礼服で座っていることなんかできなくて、それがまた、教師と子どもたちとの自然な一体感をうんでいる。なかなかよかったですよ。
ただし、残念なこと二つ。やっぱり障害児だけの卒業式はさびしいよな。そして、都教委から来ていた指導主事?の、やたらと大きな声で「君が代」を歌う姿のなんともいえぬ違和感。まるでそれこそが使命であるかのような力の入れようは、最近の都教委の暴走ぶりと重なって、どこか哀しくさえありました。

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