Access
池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

すべての人のための学校

 昨日土曜日、「特別支援教育ってなに?」という講演会がありました。主催は、練馬いっしょの会。通常級に籍を置く障害児の保護者やボランティアなどを中心に、「ともに学び、育つ」学校づくりを進めている団体です。講師は、滝坂信一さん。国立特殊教育研究所の研究員で、この研究所は、文部科学省の「特殊教育」(障害児教育)のシンクタンクだそうです。
 とても興味深いお話が聞けました。いちばん印象に残ったのは、「特別支援教育」の本質は「場」から「個」への転換だということ。養護学校だ、特殊学級だと「場」を作り、「場」に応じて障害児を振り分けてきた教育から、ひとつの「場」での、「個」に応じた教育システムへの転換だということです。ユネスコのサラマンカ会議で採択された宣言に込められた精神、”A School for All”が、その底流には流れているというお話は、たとえそれが現実の「特別支援教育」の一歩一歩の中でゆがめられ、矮小化されているとしても、とても大切な指摘だと思いました。
 、”A School for All”--すべての人のための学校。障害のある人たちだけではない、国籍、文化、言語、性別、あらゆるものを包み込み、活かしあう教育。よくよく考えれば当たり前のことなのに、なんとも新鮮に響いてきます。
 講演会会場は、いっぱいでした。障害を持つ子の親、特にお母さんたちがたくさん来ていました。画一的なカリキュラムと管理主義的な集団指導に支えられたものではない統合。多様性を包み込み、個性を活かしあいながら成り立っていく統合。統合というよりも共生。実際の姿を作り出すことは、共生とは遠いところにあった日本の教育の中で育てられた私たちの貧弱な想像力にはとても難しいことだけれど、時代の大流を見あやまたず、信念をもってがんばっていきたいものです。

コメント