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公務員は高給取り?

 予算審議の「総務費」のところでは、「委託化・民営化」と公務員の人件費について聞きました。
 公務員は恵まれている、高給とって遊んでいる…こんなイメージを、いつしかたくさんの人が抱くようになっています。事実なのか、刷り込みなのか?
 「委託化・民営化」を強引に進めている練馬区がいつも引き合いに出す数字、それは、区職員の人件費は一人当たり800万円だという数字です。区はあちこちでこの数字に言及しているので、聞き覚えのある人も少なくないでしょう。800万円と聞けば、確かに「いいな、うらやましいな…」と思う人は少なくないはず。しかし、この数字、ちょっとあやしい、疑わしい。
まず第一。実は、この800万円は「人件費」です。区の予算で「人件費」というとき、そこには区が事業主として負担する社会保険料が含まれているのです。つまり、普通私たちが「給料」として思い浮かべるもの、源泉徴収表に書いてある収入総額と、この「人件費」は違います。実際に区の職員が受け取る収入はだいたい690万円。110万円も下がります。
第二に。この800万円という数字は平均です。つまり、高給の管理職も全部ひっくるめての一人当たりの平均です。
第三に。この800万円の人件費がかかっているのは、平均年齢42歳の職員です。民間でこんなに正社員の平均年齢が高い会社、そうないのでは?
 もちろん、42歳、691万円にしても、大企業の正社員ならいざ知らず、一般には決して当たり前の額ではないし、たとえばパートや非常勤などの賃金に比べれば時給で比較しても間違いなく「高い」。しかしそれは、「官」と「民」の格差というより、非正規雇用に対する差別待遇の問題でしょう。公務員の仕事ぶりに疑問を感じることは確かにあるけれど、安易な“バッシング”には乗れないな。そう感じさせる数字です。

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