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保育園「待機児」

 事情があって4日ほど帰省していたため、ブログの更新ができませんでした。第2回定例会も近いですし、また、元のペースに戻ります。

 毎年この時期に、年度初め4月1日現在の保育園「待機児」の数が議会に報告されます。17日の健康福祉委員会で、今年度の数字が明らかにされました。
 2010年4月1日現在の「待機児」は552人。1年前が429人ですから、さらに123人、29%の増加です。保育ニーズの急速な高まりと保育基盤の立ち遅れは、いよいよ堅調になってきています。待機児の年齢別の内訳をみると、1歳児が267人、2歳児が158人、これだけで全体の8割弱を占めます。所管課長の説明では、1歳児はほとんどが育児休業明けだとのことでした。
 子どもを産んで育児休業を取ったら職場復帰ができなくなる…深刻です。もちろん、いったん離職した人の復職、再就職は、少なくとも保育の確保というて点に限って言えば、絶望的と言ってよい事態です。
 しかも、この552という数字には、認可保育園を希望したが入れず、やむを得ず認可外保育施設(家庭福祉員、保育室、認証保育所)に子どもを預けた人たちは含まれていません。認可保育園の空きを待っている人、広義の「待機児」あるいは便宜的に「認可待機児」の数は1009人、ついに1000人を超えたのです。認証保育所に預けながら認可保育所の空きを待つ子どもの数は、1年前の129人から191人へと、5割増です! 認可保育所の決定的な不足は、火を見るより明らかです。
 昨年度、待機児の急増を受けて区は保育定員増に向けた取り組みを一定程度、加速させました。その結果、受け入れ定員は373人増えたのですが、しかし、この程度の定員増では事態はまったく改善されないことが早くも明らかになってしまいました。とくに、練馬区の場合は、定員増の大きな部分を認可外保育施設、とりわけ認証保育所で埋め合わせしようとしてきました。認可保育所については、区は公設による整備は頑として拒み、あくまで私立園の誘致という立場ですから、整備のピッチもおのずから限界があります。その分、ますます認証依存がひどくなり、373の定員増のうち認可保育所はわずか171人と半分にも届きません。つまり、定員増の過半が認可外なのです。整備の費用という面でも保育費用の面でも、区立よりも私立、認可よりも認証のほうが間違いなく安上がりです。区の待機児対策が私立の認可保育所、さらには認証保育所に大きく依存していることの最大の理由も、ここにあります。しかし、こんな発想、こんなスタイルを続ける限り、待機児解消の道筋は決して見えてこないでしょう。
 志村区政は、新たな長期計画で「待機児解消」をめざすと明言しました。しかし、この言葉、この公約は、早くも一年目から大きく躓きました。言葉に決意が付いてこない。保育を求める親と子が望んでいるのは何よりも認可保育所であり、そして財政と組織を抜本的に投入する政治の決断です。

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