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住民合意はどうだったのか? ~石神井公園駅南地区まちづくり~

 石神井公園駅南地区のまちづくりは地区計画原案が出されるところまで来ていますが、どうも、変です。何より住民合意――地区内の住民合意だけでなく、肝心の地権者の合意がしっかりと取れていないようなのです。
 先日、石神井公園通り(マクドナルドのある交差点から石神井公園ボート池に向かう通り)沿いの地権者の皆さんが、区長に提出した要望書を持って議会の各会派を訪ねてこられました。要望書は「本計画(※地区計画のこと)はほとんどの地権者の合意のないままに進んできております。」としたうえで、こうまとめられています。

 今一度しっかりとした地権者等との合意形成を目指すこと、また、真にスローガンである「緑の風が薫り街の賑わいが交差する、安らぎのあるまち石神井」を実現する為に本計画決定の延期を要望するものであります。

 要望書には、道路沿い地権者14名の署名が添えられているそうです。当該道路沿道の地権者は43名ということですから、3分の1の方が地区計画策定に異議を申し立てたことになります。これは、なかなか大変なことです。
 もともと、地区計画は都市計画の一つではありますが、文字通り地区レベルのまちづくりを自主的に進めるための手法であり、地区の住民の合意は地区計画策定の大きな条件となっています。とりわけ地区整備計画で用途や建築の制限をかける場合は、関係地権者の合意はきわめて重要な要件です。今回、石神井公園通りなど商店街のある4つの通りは、壁面後退などの規制がかかります。その肝心の権利制限を受ける地権者の合意が「ほとんどない」という話です。
 以前、私が区から受けた説明では、この通り沿いの地権者の合意状況は「おおむね了承25、どちらともいえない7、了承できない2、返信なし9」というものでした。この数字自体が、地区計画の原案が出るはるか以前に区が行った個別説明の際に区の職員が評価したものでしかないのですが、それにしても「了承できない」がわずか2人とはずいぶんと数字が違います。驚くほど違う、区の合意形成の信頼性自体を問われかねないほど違うと言ってもよいほど違います。
 区は、今年度内に地区計画を決定するというスケジュールを示してきました。このまま強引に進めるのでしょうか。たいへん気になる問題です。

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