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キャッチボール

 暖かな、そして久しぶりにのんびりした日曜日、娘とキャッチボールをしようと自転車にグラブとボール、バットを載せていざ出発。まずめざすは、関越下のフェンスのある小さな空き地。残念ながら、中学生くらいの男の子たちがサッカーをしていて、ここはだめ。では、と校庭開放中の小学校に向かうも、「開放は4時までなんですよ」と指導員の方。あわてて時計を見ると、4時5分前。で、ここもだめ。最後は、ぐるりと一回りした挙句に近所の公園に戻ってきたけれど、小さな子も走り回っていて、とてもキャッチボールはできそうもなく、またまた断念。結局、公園横の袋小路になっている道路で、遠慮がちに30分ほどキャッチボールをして帰ってきました。
 悲しいね、キャッチボールする場所も見つからないなんて。バットを振ろうなんとことになると、どこか専門の野球グランドを借りなければまずだめ。当然、草野球の試合など、できるところはまったくなし。これじゃあ、野球もすたれるはずだ…
 いや、野球だけじゃない。サッカーにしてもなんにしても、10人も集まって何かスポーツをしようと思うと、まず場所が見つからない。体を動かす、それも、ひとりではなく、プログラム化されたトレーニングでもなく、たくさんの友達と思いつくままに誘い合わせて体を動かすことが、今の社会、いまのまちではどんなに難しいことか、つくづく感じさせられます。
 考えてみれば、キャッチボールのためにわざわざ自転車で出かけなければならないなんて、自分の子どものころには考えられませんでした。団地に住んでいた私は、学校から帰ったら、すぐに団地の中の空き地に飛んで行って三角ベースの草野球に熱中したもの。当たり前のように学年の違う子どもたちとも大いに“群れて”いたものです。何十年にもわたって、“子ども社会”が自然に、伸びやかに育っていく基盤を大人たちは地域から削り取ってきました。そのツケは、重い。

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