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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「東京熱供給株式会社」に問う

 東京熱供給株式会社は、光が丘団地の「地域熱供給システム」を管理運営している会社です。清掃工場の焼却排熱を利用して、団地内の約12,000戸の住宅などに給湯、冷暖房などを提供しています。供給システムの抜本的な「再構築」をするということで、配管の埋設・移動などに必要な都市計画変更の手続きが今、まさに進行中です。この都市計画変更についての説明会が地元・光が丘で昨年開催され、その様子はブログにも少し書きました。

     ➠2010.11.13 “未来都市”の行く末

 都市計画にかかわる話でもあります。また、練馬区は3%とはいえ出資をする株主でもあります。東京都などは25%出資の筆頭株主です。一民間企業の私的な事業展開とはわけが違います。そう思って、いくつか基本的な質問を投げかけました。昨年11月のことです。
 私が出した質問は以下の3点。

1.説明では、再構築により二酸化炭素の排出量が6割削減されるとのことだが、その試算資料を示してもらいたい
2.再構築により、清掃工場の熱を9割活用できるとのことだが、その意味合いとその試算資料を示してもらいたい
3.再構築のトータルの費用見積とその財源手当の見通しを示してもらいたい

 いずれも、「再構築」の意義と必要性、さらには住民負担の要否も含めた事業の見通しにかかわるごく基本的な問いでした。当然、誠実に回答いただけるものと、私は信じていました。しかし、回答が来たのは12月の20日でしたが、その内容はたいへん残念な、そして腹立たしいものでした。

1.数値は、社内におけるシミューレーションの結果であり、社外秘事項です。
2.11月13日開催の席上申し上げたとおり、説明者の勘違いであり、内容を撤回させて頂きます。
3.財源措置については、十分見通しを持って再構築を進めております。

 説明する意志もなければ、そもそも必要性も感じていないというわけです。議員としての調査活動の中で、こんなにつっけんどんで無責任な回答をもらったことが、かつてあっただろうか。何のために都市計画変更が必要なのか、何のために光が丘の住民は施設・設備の「再構築」に協力しなければならないのか、これではだれも納得できません。
 繰り返しますが、東京熱供給株式会社は「株式会社」の形こそ取っていますが、自治体が多くを出資し、事業自体も熱供給事業法という法律に基づいて経済産業大臣の許可を得なければならない公益事業です。「社外秘」だ…およそ公益事業としての社会的使命や都市計画変更の申請者としての説明責任のなんたるかも自覚しない許しがたい回答です。
 熱供給事業法第5条は、「許可の基準」としてこう定めています。

第5条  経済産業大臣は、第三条の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同条の許可をしてはならない。
一  その熱供給事業の開始が一般の需要に適合すること。
二  その熱供給事業の熱供給施設の能力がその供給区域における熱供給に対する需要に応ずることができるものであること。
三  その熱供給事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
四  その熱供給事業の計画が確実かつ合理的であること。
五  その他その熱供給事業の開始がその供給区域における日常生活又は事業活動上の利便の増進のため必要であり、かつ、適切であること。

 計画の内容を一切明らかにしないで、「計画が確実かつ合理的である」といかにして判断するのか。地域の「利便の増進」につながることをどう証明するのか。企業体質、というものを深く印象付ける回答です。私は納得しません。

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