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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

選挙における「手話通訳」の保障を!

2023年が明けました。今年は4月に統一地方選挙があり、練馬でも区議会議員の選挙が行われます。私は、一昨年の都議会議員選挙の時から、選挙の主要な場面で「手話通訳」を配置するように努力してきましたが、その後、練馬区が『練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例』を、また東京都が『東京都手話言語条例』を制定し、聴覚障害者の意思疎通や表現を保障する大切な手段の一つとして「手話」が位置づけられ、社会生活の様々な局面において「手話」の保障を図ることが求められるようになってきています。
選挙権、被選挙権に代表される公民権は、国民のもっとも基礎的で普遍的な人権の一つです。選挙の場でも「手話」がきちんと保障される仕組みづくりを進めてもらいたい。そんな思いから、練馬区の選挙管理委員会に陳情を提出しました。以下がその全文です。

つながる市民・練馬発足のつどいでも、手話通訳をお願いしました(2022年5月)

2023年練馬区議会議員選挙における
「手話」保障の充実に関する陳情

練馬区における選挙の適切な執行と選挙を通した区民の政治参加の促進のためにご尽力くださり、ありがとうございます。2023年4月に執行される予定の練馬区議会議員選挙において、「手話」の保障の充実を図ることを求め、以下、陳情いたします。

陳情事項
  1. 2023年4月の練馬区議会議員選挙において、候補者が使用する手話通訳者の報酬を公費負担の対象としてください。
  2. 投票所における手話対応の体制を整えてください。
陳情理由
  1. について
    選挙運動における手話通訳者の配置については、公職選挙法で報酬等の支払いは認められているものの、『練馬区議会議員および練馬区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例』では公費負担の対象とはされていません。
    手話通訳は専門性が高く負担の大きい職務であり、無償で通訳者を確保することはたいへん困難です。手話通訳者の配置が各候補者の負担にゆだねられている限り、手話通訳者の配置は遅々として進まないのではないかと危惧します。
    『練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例』や『東京都手話言語条例』が今年度、相次いで制定され、手話の保障が行政機関をはじめとして社会の責務であることの共通認識が広がりつつあります。とりわけ憲法上の権利であり公民権の核心でもある選挙権の行使に関わる手話保障は、最優先に配慮されるべき事柄と考えます。
    必要な条例改正や財政措置を速やかに取り、来年の区議会議員選挙において手話通訳者の配置に対する公費負担を導入されることを求めます。
  2. について
    先に陳情者が「投票所における手話対応を進めるべきと考えるが、如何」と問うたのに対して、選挙管理委員会事務局からは以下の回答を頂きました。
    回答:現状でも投票所において、コミュニケーションボードや筆談器により、聴覚に障害のある方や失語症等の方への対応をしているため、投票所に手話通訳者を常駐させるといった対応は考えておりません。
    投票所における聴覚障害者への対応について、選挙管理委員会として様々に努力をなさっていることは承知していますが、もっぱら手話を手段としてコミュニケーションをとる聴覚障害者に対する対応としては、コミュニケーションボードや筆談器では不十分です。
    『練馬区障害者の意思疎通の促進と手話言語の普及に関する条例』は、「手話言語がろう者にとって、日常生活または社会生活を営む上で重要な言語であるという認識」に立つとしています。また、『東京都手話言語条例』では、手話は「独自の文法を持つ一つの言語」であると明記しています。日本語ではなく、独自の言語としての手話を母語とする区民への対応もしっかりと視野に入れるべきであり、そのためには投票所での手話対応は速やかに実現すべき条例上の責務であると考えます。
    なお、手話の保障の具体的なあり方については、当事者の意見も踏まえつつ、期日前投票所での対応を優先する、手話通訳者の直接配置だけでなく東京都が進めている遠隔手話通訳システムを活用するなどの方策も含め、現実的で効率的な方法を検討してください。

以上

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