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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

「子ども医療費無料化」

 「○○党が子ども医療費の無料化を実現しました」
 「子ども医療費無料化を求めてきた△△党です」
 中学生まで入院・外来の医療費を「無料」にするという方針を区が打ち出しました。これまでは、未就学児は入院・通院とも、小学生は入院のみが「無料」でしたから、大幅に対象を広げることになります。今、各党・各会派が、成果を競い合うようにこの「無料化」を取り上げたキャンペーンを繰り広げています。
 この事業、誰もが負担が減るわけですから、歓迎しない人はいないでしょう。医療費負担がじわじわと重くなってくる中で、負担軽減に踏み込むこと自体は必要なことだと、私も思います。特に、乳幼児から小学校低学年は医療を受ける機会が多いですから。でも、この「子ども医療費無料化」、私はあまり自慢したくありません。
Q1.中学生は全年代の中でもっとも受診率が低い年代であり、この層での「無料化」が子育て支援や家計負担の軽減にどの程度、寄与するのか不明
Q2.急速に医療・介護などの負担が増えている高齢者など他の世代の負担軽減はなぜ考えないのか
Q3.負担軽減のためなら、所得に応じた軽減を図るとか、長期・頻回の入通院に重点を置いた軽減策を組むほうがよほど効果的・効率的で、事業の意図もはっきりするのではないか
Q4.子育て支援のためなら、乳幼児が安心して受診できる医療基盤の整備とか、学校の先生を増やすとか、大切な税金の使い道はいろいろ考えられたのではないか、等々、等々。
 「無料化」と言っても、正確には、税金で医療費の自己負担分3割を区が肩代わりするということ。新たに必要となる税金は、年間で9億円から10億円にのぼります。所得の多寡にかかわらず、一律に、ただし中学生までに限って医療費を「無料」にするというこの事業。税金を使う際に欠かせない理念も、思想も、公正さや効率性への配慮も、なんだか薄っぺらに見えて仕方ないのは、私だけでしょうか?

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