順天堂練馬病院が、産科の受診制限に入りました。7月1日付で出された「産科外来の受診を希望される皆様へ」というお知らせによると、「リスクの少ない妊婦さんの受け入れを制限せざるを得ない」としたうえで、「当院産科受診希望の初診患者様につきましては、規定分娩数に達し次第、受け入れを中止させていただきます。」とされています。病的な状況にある場合は「受診受付させいていただく場合がある」ということですから、基本的には、いわゆる正常分娩の取り扱い制限という趣旨でしょう。
直接のきっかけとなったのは、順天堂で分娩を希望する患者の急増です。もともと「高度医療」「中核医療」を担うべき医療機関として誘致された病院としては、できるだけハイリスクの分娩に資源を集中したいという考え方は理解できるところです。しかし、問題は、なぜ順天堂にこれだけ集中してきたのか、そして順天堂が受診制限を入れたときそれに代わる分娩医療機関は適切に確保されているのかということです。
安心して子どもを産める、質の高い分娩医療機関を整備することは、実は大変重要で喫緊の課題です。都市部では産科の疲弊ぶりは必ずしも注目されていませんでしたが、今回の順天堂練馬病院の事態は、「産科」の危機が身近に迫ってきていることを予感させるものだと思われてなりません。少していねいに追ってみます。
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