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自治基本条例 ~その3~

 自治基本条例ならぬ「区政推進基本条例」の骨子案についての3回目です。前文に続く本文の部分の最初は、「目的と理念」です。骨子案ではこうなっています。

(1)条例制定の目的
練馬区の自治の基本理念、区民・議会・執行機関の役割等を明らかにし、参加・参画と協働の推進および区政運営の基本的仕組みについて定めることにより、練馬区にふさわしい自治の実現を図り、もって区民福祉の向上に資する。
(2)自治の基本理念
練馬区は、区民等と区が、情報を共有し、それぞれに果たすべき役割または責務を分担し、協働することにより、区民による区民のための自律的な地方公共団体を目指す。

 「練馬区にふさわしい自治の実現を図り、もって区民福祉の向上に資する」。目的はこうなっています。オーソドックスな目的規定です。この目的のために、条例は「自治の基本理念、区民・議会・執行機関の役割等を明らかにし、参加・参画と協働の推進および区政運営の基本的仕組みについて定める」ものと位置付けられています。「参加・参画」や「協働」という言葉は、いつごろから使われるようになったでしょうか。抽象的な「自治」を具体的に展開するためのカギになる視点、方法、あるいはプロセスを示す概念としてすっかり広まりました。しかし、決して明確・明快に定義されているわけでもありません。少なくとも、条例上は定義が必要な言葉ですね。「協働」についてはあらためて定義が出てきますが、「参加・参画」は定義なし。これは、改善の余地ありです。
 その次の「基本理念」では、「区民による区民のための自律的な地方公共団体」であることが自治の基本とされています。地方公共団体である練馬区の「自治」が、その権原としても、実質的な意味においても、最終的には区民の意志、判断、力、信託によるという趣旨でしょう。「自治」が、ときに行政組織としての自治体の「自治」にすり替えられることがないわけではないだけに、この原点にかえることは大切なことです。
 目的も理念も、一つ一つの表現には議論が出るかもしれませんが、全体としてはこの条例の柱をきちんとた立てていると思います。しかし、こう書くなら、やっぱり「自治基本条例」だよな… (続く)

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