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有機リン

 日曜の夜、たまたまテレビをつけたら、化学物質過敏症で学校生活が続けられなくなった子どもたちの姿が飛び込んできました。日本テレビのドキュメンタリー番組。「カナリアの子供たち」とタイトルされたこの番組は、それはショッキングでした。子どもたちの姿はもちろん、いたたまれない。しかし、それ以上にショッキングだったのは、この化学物質過敏症が有機リン剤によって引き起こされている恐れが強いという、そのことです。
 番組では、群馬県が、無人ヘリコプターによる有機リン農薬散布の「自粛」を求めたということも報じられていました。県としては思い切った踏み込みであったでしょうが、そうせざるをえないほどに化学物質過敏症が広く、かつ深く子どもたちを襲っているのです。
 有機リン剤は、別に、農薬だけに使われているものではありません。都会でも、家庭でも、当たり前に使われている殺虫剤類の多くは、有機リン剤を使用しています。発症した子どもたちは、不整脈、学習障害、うつなどの多様な症状を訴えています。化学物質過敏症は、喘息などのアレルギー性疾患や脳神経の機能障害などの深刻な健康障害の予兆であり、前駆症状であるのかもしれません。怖い…空気は、そして空気を汚したものも、目に見えることなくとめどなく広がるだけに、ますます怖い。皿に盛られた毒ならば食わずにいればすむだろうけれど、毒を含んだからといって空気を吸わずにはいられないだけに、本当に怖い。
 子どもたちをとりまく、目に見えない脅威。この脅威を生み出した社会そのものへの漠たる不安とない交ぜになって、いても立ってもいられない気持ちになりました。

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