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学校長の責任は? ~大泉第四小・給食費着服事件~

 練馬区立大泉第四小学校で、非常勤の事務職員が給食費1,000万円以上を着服していた事件のその後です。
 9月11日、区議会本会議での一般質問で私から学校名を公表し、それを受ける形で14日に学校説明会が開催されたことまではこのブログで報告をしました。その後、説明会で学校長が語った「事故の概要」、そして「学校長の所見」の内容を教育委員会を通して確認しました。それは一言で言って、強い違和感を感じるものでした。たとえば、校長は「所見」のなかでこんなことを言っています。

「本校で不正が生じてしまったことは、会計処理の不備や不正行為の抑止・発覚機能が十分に働かなかったこともさることながら、非常勤職員の公務員としての資質の著しい欠如によるものであったと、言わざるを得ません」

 つまり、校長によれば、1000万を超す着服は、何よりも当該非常勤職員の「著しい資質の欠如による」と。私は、厳しい言い方になりますが、これは“天に唾する”発言のたぐいであると思います。少なくとも保護者の前で校長が語るべき言葉ではありません。
 確かに、様々な偽装までして4年間にわたって給食費を着服し続けた当該職員の「資質」に大きな問題があったことは、間違いありません。しかし、誰がその非常勤職員を雇用し続けたのでしょうか。誰が、その職員を根拠もなく信頼し、チェックも指導もおろそかにしたまま、金銭管理を丸ごとゆだねるようなことをしたのでしょうか。
 話は逆でしょう。万一、悪意ある人間がそこにいたとしても、それでも犯罪を防ぐ手立てを講ずるのが校長の責任であり、使命でしょう。そのことを横に置いて「資質の欠如こそが問題だ」と言うとすれば、私は、学校長の責任感を問わざるを得ません。
 先週、3日の決算特別委員会で、私はこの事件のことを取り上げました。私が区・区教委に対して問うたことは二つ。①学校長の責任をどう考えるか、そして②教育委員会は何を問われているか、です。学校長の責任についてのやり取りをそのまま採録します。少し長くなりますが、読んでみてください。

     ※区議会事務局作成の未定稿です。正式な議事録ではありません。

池尻成二委員 大泉第四小学校で起きた給食費の着服事件については、一般質問でも聞かせていただいたわけですけれども、その後、保護者説明会が9月14日に開催されています。事件発覚から少なくとも3か月、処分から2か月を経て、ようやくの開催となったわけですけれども、この保護者説明会の場で、学校長が事故の概要、それから、校長の所見等を述べています。その内容を確認させていただきましたが、強い違和感を禁じ得ないものとなっております。


 そもそも、なぜ「事件」でなく「事故」なのかというこの表現の問題も引っかかるのですけれども、それはともかく、何よりこの校長の発言の中に、校長自身がみずからの責任をわびる率直な言葉が一つもないというのは、私は大変に引っかかります。
 まずお聞きします。教育委員会として、今回の事件について学校長の責任をどう考えていらっしゃるか、お答えください。
教育総務課長 このたび区立小学校におきまして、多額の給食費が職員によって着服されたといった事件が生じました。このことにつきまして、学校の徴収金についての信頼を損ねたということで、大変遺憾に思ってございます。今後、再発防止に向けて全力で取り組みたいと考えてございます。
 そのうえで、本件の校長の責任の部分でございます。本件につきましては、東京都の教育委員会の方にも報告を上げているところでございます。学校において徴収している徴収金の管理につきましては、校長の責任のもとということになってございます。その管理が不十分だったといったところにおきましては、一定の責任があると考えているところでございます。
池尻成二委員 9月13日に、この事件を受けて、学校徴収金事務検討委員会というものが行われております。その中で今後の取り扱いについてという文書が出ておりまして、そこで今回の事件に関する記述がいろいろあるのですけれども、その中で学校徴収金取り扱いの手引というのが教育委員会で定めていらっしゃる。
その手引によれば、毎月ごとに通帳と現金出納簿の内容を確認照合することを学校長に求めている。これは極めて初歩的なことではあるのですけれども、求めている。どころが、当該の学校の場合、長期にわたり校長による照合確認行為が行われていなかったという事実の認定をなさっています。         
 この文書のまとめというのがありまして、まとめにはこう書いてあります。「当該職員の偽装はあったものの、複数体制によるチェック機能が働いていれば未然に防げたものであり、校長、副校長の照合、残高確認が行われていれば、着服額がこのような高額になることはなかった」
 ここでは学校長の管理責任は明確に指摘をされておりますし、学校長が適切に管理責任を果たしていれば避けられた事件であるとはっきり書いてあるわけです。
 校長の管理責任については、今回の事件の中では大変大きなものがあると思っておりまして、そのことを曖昧にすることは許されないと考えます。教育委員会の厳正な対応をまずはお願いしたいと申し上げておきたいと思います。

 

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