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区長発言の拾い方 ~消えた「たくさんの産院」~

 20日の医療高齢者特別委員会で、6月3日の記者懇談会での区長発言の「要旨」が配布されました。当初、「あーうーは除いて全部再現しよう」といった話もあったはずなのですが、ずいぶん手が入った要旨となってしまいました。それでも、区は、「報道で問題になった部分はていねいに起こした」と言うのですが、しかし、その起こし方は感心できたものではありません。ひとつ例をあげましょう。
 光が丘病院で分娩ができない状況にあることについて、触れた部分です。区長は、実際にはこう発言しています。

 「残念ながら産科なんかについてはいままだできないという状況がありますよ。だけども、産科については区内でも産院がとにかくたくさんあるわけでね、そこにお願いするということで、産科については病院だけ独自にというよりも、地域医療という考え方で、地域の個人のお医者さんと連携するということが非常に大事なんですよね。そういう風に考えてみると、頭数が少し足りないかも知れない。だけどもそれをもって否とするわけにはいかないと。私はそういう風に思うんですね。その辺は理解していただきたいと思います。」

 これは、録音を確認しながら私自身が起こしたものです。それこそ「あー・うー」を除けばほとんど逐語的に起こしています。この部分を、区はどのようにつまんで「要旨」を作ったか。こうです。

 「残念ながら産科は今出来ていない状況だが、区内の産科もあるのでそこにお願いする。地域医療の考えで受け入れるということである。職員数が少し足りないかもしれないが、それをもって否とするわけにはいかない。ご理解いただきたい。」

 これが、文意を損なわない、あるいは偽らない「要旨」の作り方でしょうか。産院が「たくさん」あって、そこにお願いする、「個人のお医者さんと連携する」ことである程度は対応できる…もともとの発言は、こういう趣旨です。区長は、光が丘病院で産科が「できていない」事態を困ったこと、よくないこととしっかり語るのではなく、弁解し、矮小化し、そのための理屈まで並べ立てている。それも、「産院がたくさんある」などという、全く事実に反する認識のうえで。こういう区長発言の趣旨が、「要旨」ではすっかり違ったものに変えられていませんか?

 区が姑息で、卑劣でさえある情報管理にしばしば訴えてきたことを、この間、私は痛感してきました。もう一つ、実例が加わった。そう感じています。

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