刺し子

　｢刺し子｣という言葉を知りませんでした。恥ずかしながら…と言うべきなのかな。聞いたことがあるかもしれないけれど、記憶に跡をとどめていませんでした。
　ものの本によれば、「綿布を重ね合わせ一面に細かく刺し縫いにすること。また、そのようにして縫われたもの。」だそうな。柔道着も刺し子だと言われると、はぁ、そうなんだ、となるわけですが、その｢刺し子｣に、我が家の娘がすっかり“はまって”います。夏休み、勉強はもちろん、やれ本読みだ、友だちとといった計画をうっちゃって、一日中、ただひたすら布を片手に針を動かしているのです。｢グーフィー｣の絵が描かれた、クッションカバーができるらしい。
　娘の姿を見ていて、何やかやと感じてしまいます。何より、こんなに集中する力があるんだという驚き。そして、それだけの集中力を呼び覚ますことのできる、｢技｣の魅力。とまれ、出来上がりが楽しみです。

　刺し子を教えてくれているのは、もう20年来の友人であるAさん。10年ほど前に私につくってくれたあの弁当箱入れ、あれも｢刺し子｣だったんですね。ハハ…失礼しました。