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池尻成二事務所 〒178-0063 練馬区東大泉5-6-9 03-5933-0108 ikesan.office@gmail.com

ダイオキシンに汚れた雨水

 23区清掃一部事務組合が、各工場で、雨水中のダイオキシン濃度について調査をしていました。昨年度のことです。こうした調査をしていることも、もちろんその目的も、一組は全く明らかにしていませんが、しかし、調査をしていました。豊島区に住む方が情報公開請求をして、調査の事実とその結果が明らかになったのです。
 調査結果は、驚くべきものでした。ダイオキシン濃度が最も高かった練馬工場では、その値は6.8pg/lに達しました。水質に関する環境基準は、1pgですから、その約7倍。工場排水などの排出水の規制値は10pgですから、この規制値にもう少しで届きかねない数値です。もっといえば、練馬清掃工場で焼却灰などを洗って出る汚水のダイオキシン濃度は0.018pg。つまり、汚水をいろいろと処理してダイオキシン濃度を下げている傍らで、その40倍もの濃度のダイオキシンを含んだ雨水が流れ出ていたのです。
 雨水が、なぜこんなにダイオキシンに汚染されていたのか?
 清掃工場から出るダイオキシンは、煙突からの排ガスと飛灰や焼却灰のなかに含まれる、排ガス中のダイオキシンはバグフィルターなどで除去し排出基準を大幅に下回る値にまで抑えている、灰中のダイオキシンについては厳密に管理したのち溶融固化処理する、こんな説明を一組はしてきました。もしこの説明がダイオキシンについてすべてを言いつくしているのなら、なぜ、雨水中にこれだけのダイオキシンが含まれていたのでしょうか? 建屋が汚染されていたのか。土壌が汚染されていたのか。排ガス中のダイオキシンがよほどの高濃度となり、それが雨水に取り込まれたのか…いずれにしても、清掃工場におけるダイオキシン対策のあり方に大きな課題を投げかける問題です。
 そして何より、このダイオキシンに汚れた雨水がどうなっているのか。敷地から公共下水にいきなり出ているのか。敷地外にそのまま流れ出したりはしていないのか。あらためて強調しますが、練馬清掃工場は第一種低層住居専用地域に囲まれています。敷地の北側は細い道路を挟んで畑が広がり、南側はやはり細い道路をはさんで、こちらはお寺と住宅街。東側は、まさに軒を接して住宅が並んでいます。ダイオキシンを含んだ雨水がどう管理され、あるいは管理されていないのか。重大な関心を抱かざるを得ない問題です。(この項、つづく) 

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