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「いじめ」の衝撃

 区議会は、今日10日から一般質問です。初日の今日は、自民党と公明党からそれぞれ2人ずつが質問に立ちましたが、両会派とも「いじめ」問題をくわしく取り上げ、教育委員会の対応を問いただしました。大津市の“事件”以来、いじめ問題の衝撃が深く、大きく広がっていることを改めて痛感させるものでした。

 文部科学省の指示を受け、東京都下の各教育委員会もいじめの緊急実態調査を実施しています。その結果が公けになってきていますが、練馬の結果も公表されています(表)。 「いじめ」と確認された件数が小中あわせて230件、「いじめの疑いがある」ものが573件。衝撃的な数字です。230件の「いじめ」のうち、教育委員会に報告されていたものがわずか50件しかないというのも、これまた衝撃的です。ちなみに、「いじめ」とは①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの、と定義されています。また、「疑いがある」というのは「現時点で、いじめと確認できないまでも他の児童・生徒や周辺からの情報により、いじめの疑いがあると思われる」というものです。こう書くと、上の数字の衝撃はさらに強く響いてきます。
 もちろん、数字は数字でしかありません。一つ一つの「いじめ」の中で子どもたちや保護者、そして教員が何を感じ、どう苦しみ、どんな出口を探しているか。そこまで拾って初めて、この数字の持つ重みもわかるはずです。ただ、そうであるとしても、この数字はやはり衝撃的です。
 教育長の答弁では、第三者も交えていじめ対策を検討する場の設置や“いじめ防止条例”といった話も出ました。でも、基本は現場、です。現場に、子どもたちと真剣に、ていねいに向き合い、さまざまな立場の関係者がしっかりと相互理解を広げていくだけの意志や熱意、人手と時間があるのかどうか。この間、学校現場が疲弊を深めてきたことを知っているだけに、そしてまた、子どもたちの思いや立場、一言で言えば「権利」がしっかりと根付いていたとはとても思えないだけに、「いじめ」対策はよほど真剣に、徹底して進めなければならないと感じます。

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