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都知事選を終えて

 都知事選が終わりました。
 この選挙、私も市民の声ねりまも、ほとんど主体的には関わることができませんでした。とても大切な情勢の中で、とても大切な選挙に力を尽くすことができなかったことは、辛く情けないことでした。
 都知事選は、地域から、一人一人の市民の思いと力を積み上げる中でたたかうには、あまりに巨大な土俵の中で動いていきます。とりわけ今回の選挙は、ごくごく限られた時間しか許されない舞台でした。どうしても、組織、知名度、そしてマスコミの力がとても大きな意味を持ってしまいます。勝とうとする限り、勝つ選挙にこだわる限り、そのことをきちんと受け止めなければなりません。そして、勝たなければならない選挙でした。
 舛添候補の勝利は、彼自身の言葉がどのようなものであろうとも、客観的には安倍政権の信任であり、そして再稼働に前のめりになりつつある国の「原発(エネルギー)政策」に歯止めをかけることができなかったことを意味します。たとえ選挙に負けても、たとえ首長を取れなくても、それでもたたかいは続くし、やるべきことやれることがいくらでもあるというのは、間違いのない真実です。宇都宮さんであれ細川さんであれ、選挙を支えた皆さんは決して面を下げないでしょうし、私も、そうです。
 しかし、それでも、首長を取れるかとれないかは大きな違いがある。決定的と言ってよい違いがある。それだけの意味を持つのがよくもあしくも東京都という自治体であり、そして、それだけの意味を付与された都知事選であったと思います。
 その都知事選に、“私たち”は負けました。「脱原発」を心に決め、再稼働を許すことができないと深く感じていた“私たち”、そして安倍政権の来し方と行く末に深い不安と怖れを抱いている“私たち”は、選挙に負けました。「宇都宮」と「細川」の票を足しても「舛添」に届かず、そして、「田母神」あるいは田母神的な潮流が有力候補としての地歩を固めたという事実を謙虚に受け止めるならば、選挙としては負けたことを認めざるを得ません。
 違う結果がありえたのか。わかりません。でも、違う結果が必要であったし、そのためにやるべきであったこと、やれなかったことをきちんと振り返ることは、この選挙結果、そしてこの事態を憂慮するすべての人たちの責務であると思います。

 
 都政は遠いですね。都議会も遠いですけれど、都知事はもっと遠い。自治や参加からもっとも遠いところにあるのが、都政かもしれません。1000万の有権者という途方もなく広大な海、日本中から収奪され集積された巨大な富とその富に連なる厚い支配層、そして見せつけられるマスコミの巨大な力…眩暈(めまい)をすら覚えます。今回の選挙は、東京と東京都政が、日本の行く末を捻じ曲げていく拠点になりかねない怖さをすら、示しているとも感じられます。
 それでも、負けるつもりはありません。この都知事選を戦った皆さんの積極的なエネルギーと新しい経験に学びながら、そして練馬という地域、練馬の区政にこだわりながら、都政を揺さぶる力を育てていく一翼になれるようにがんばります。

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