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国民年金と最低賃金

昨日開会した練馬区議会第2回定例会。初日は、会期を決めるための数分間の本会議だけで日程は終了。そして、今日から3日間は「人事」です。
選挙を受けての新しい議会のすたとですから、当然、議長もいなければ、委員会の構成も決まっていません。「人事」から動き出すのは当然と言えば当然のことですが、実際の人事は幹事長会の非公式の調整、協議を柱に進みます。幹事長会は、今は自民党、公明党、民主党系、そして共産党の4つの会派だけで構成されています。交渉会派ではない、つまり幹事長会に参加していない私たちのような少数会派は、基本的にただ待つだけ。おかげでたっぷり時間があり、一日、議案の検討やあれこれの調査に精を出しています。

ここのところずっと気になっていた、国民年金保険料と最低賃金の関係を整理してみました。私は、これまで国民年金以外に入ったことがありません。(正確にいうと、一時、議員年金の被保険者でもありましたが、この議員年金は私が受給資格を得る前に廃止されてしまいました)。もう40年間、国民年金の被保険者であり続けたわけですが、保険料をしっかり納めてきたわけではなく、未納期間がたくさんあります。未納の最大の理由は、保険料を支払う余裕がなかったということです。私は、大学を中退して上京して以来、今でいう非正規雇用を渡り歩いてきて、いわゆるまともな職に就いたことがなく、収入もごく限られていました。収入が少ないと、国民年金の保険料は本当に重いんです。
国民年金の保険料は、収入に関わらず定額です。国民年金には、他の社会保険に入らない人たち、正規の雇用でない人たちから資産所得だけで生きている人たちまで、いろんな階層の人がいるはずですが、どんなに収入が違っても保険料は一律。だから、貧しいものには過酷な負担なのです。
2015年度の保険料は、月額15,590円です。手取りが20万に届かないような世帯には重い負担です。国民年金の未納、滞納が増える理由は、年金の将来への失望や不安だけでなく、この重い負担にもあるに違いありません。
前置きが長くなりました。下の表は、国民年金の保険料と最低賃金を比較したものです。最低賃金を選んだのは、それがいわゆる不安定雇用の賃金水準の傾向をよく表しているからです。
この40年の間に、どれほど国民年金の負担が重くなったか、一目瞭然です。1975年には保険料は最賃の4倍でした。それが今は、17倍を超えています。給料の伸びをはるかに上回るスピードで高騰する年金保険料。こりゅゃ、払えなくなる人が続出するはずだ…
生活保護と並んで、老後の生活の最後のよりどころともいうべき国民年金。その国民年金が、貧しい国民には過酷な制度設計で運営されてきた事実。そして、形骸化し破たんする“皆年金”。私たちは、自分自身が意識せず自覚しないところで、確実に、窮乏化と貧困化の道を転げ落ちつつあります。

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