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光が丘病院はどうなっているか? ~区民の会との話し合いから~

 光が丘病院問題に精力的に取り組んできた<日大光が丘病院の存続を求める区民の会>は、日大撤退後も<練馬の医療を考える区民の会>と名称を変え、光が丘病院の検証を続けています。その<区民の会>が先日、病院を運営する地域医療振興協会と話し合いを持ちました。記録が、会の公式ホームページで公開されています。

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 この日は私も立ち会ったのですが、よくお話をしたいという病院側の誠意はともかく、話の内容は気になること、不安に感ずることが少なくないものでした。いくつか紹介します(「 」内は区民の会の記録より引用)。
●医師の配置について
 常勤の医師数は4月開院当初65名でしたが現在は67名、「8月から68名になる予定」とのことでした。若干は増えましたが、他方で小児科は9名から7名に減ってしまいました。また、「医師は診療科によって、協会の他の病院からの派遣で3か月、6か月の交替でやっている」という話は、ちょっとびっくりでした。このローテーションの問題は議会でもさんざん取り上げ、区は「形はローテーションでも人は代わらない」と断言していたからです。
●看護師の配置について
 人材の確保が医師よりも難しいと話されていたのが、看護師です。助産師も含む看護職については、この間、このブログにも“たくさん辞めている”というコメントが届いていましたが、病院からは「今までに月に2,3人辞めることがあった。しかし、毎月5,6人ずつ新しく入るといった状態」という説明がありました。本当なんでしょうか。少なくとも、4,5月について私が区から聞いていた数字は、「2,3人」ではありませんでしたが…
 看護職の夜勤の状況も話題になりました。光が丘病院は2交代制、夕方4時半から翌朝の9時までという長時間勤務です。1夜勤で2労働日ということになるのですが、夜勤回数は「月5回以上はない」という説明でした。5回を超えたら本当に大変です。看護基準上も問題になってくるでしょう。
 協会は、今年度中に7対1看護を導入する、そのために看護師は250人にまで増やすと公言してきました。しかし、看護師の不足から、これまでは患者数が少なかったので7対1看護だったものが8月からは10対1になるとのこと。看護師の勤務はますます厳しくなるでしょう。せめて夜勤は無理のないようにしてもらわなければ困ります。
●産科について
 9月から開けることになっている産科病棟の体制も、とても気になっていることの一つです。産科の医師は、「常勤医2名、近々にもう1名増える。応援として北社保から休日・夜間に医師を出してもらう予定」という説明でした。一方、助産師については、こんなやり取りがありました。
(問) 開設時には常勤9名。企画提案書では、常勤30名+非常勤0名。現在の状況は?
(答) 現在、助産師9名と、助産師としてやっていきたいという意識の高い看護師、准看護師6名を加え、15人体制でと考えている。

 この数字については、常勤で夜勤シフトが可能な人数であることを確認しています。その後、病院側から「常勤は現在8名で、うち1名は別病棟で管理職をしているため、実際には7名」との訂正が入ったそうですが、いずれにしても、産科病棟が本格的に稼働すればこの人数でも足りないでしょう。それに、この数字、私が聞いている話とはちょっと違っています。気になります。

 この日の話し合いで大きく取り上げられたのが、泌尿器科の常勤医師の問題です。
 泌尿器科には、常勤の医師が一人いると説明されてきました。議会でもそうですし、また、開設許可の際の医師名簿にもそう書いてあります。ところが、この「常勤医師」が協会の他の施設の責任者をしており、また年に200回もの講演をしていることが明るみに出ます。いったいこの医師は本当に「常勤」と言えるのか?
 この問題は、区民の会から東京都にも照会が行き、都からの口添えもあってこの日の話し合いになったものでした。病院からの説明の詳細は省きますが、出勤簿まで見せてもらった上での私の結論は、「常勤」の医師として光が丘病院の診療と運営に関わった実態は認められないというものでした。すでにこの医師は退職し新たな常勤医が8月から着任するとのことでしたが、当初の説明と開設許可の届け出はいったい何だったのでしょう。誰が常勤医として勤務しているかは、病院の管理運営上も、医療の評価という点からも、さらには適正適法な手続きの確保からも、決してどうでもよい問題ではありません。
 
 全体として、コンプライアンスを徹する、そして病院の状況を正確に伝え公けにしていくという点で、光が丘病院の現状には少なからぬ課題があると感じます。このあたりは、病院と地域医療振興協会にはよくよく真剣な対処を求めるとともに、関係機関とも話をしてみようと思っています。

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